今回は、モール型EC「楽天市場」における「楽天内広告」について説明していきます。
第2回の今回は、TDA広告について、具体的なプラン設定やペルソナ設定について説明していきます。
前回書いたRPP広告に関する記事同様、TDAの設定の考え方について、具体的にどのように考えれば良いのかを説明してくれる記事がありませんでした。
この記事を読めば、どのプランを選択すればすれば良いのか、どのペルソナに向けて広告を打てば良いのか、どの数字をKPIに設定すれば良いのかがわかります!
なんとなくTDA広告を出稿されている方にとって具体的な指針の1つとなれば幸いです。
それでは具体的な説明にいきましょう!
※この記事ではTDA広告の入稿の仕方、できることなどの機能的な説明は省き、どのような考え方でTDA広告を出稿すれば効果的に活用することができるかを記載していきます。
基本的なTDA広告の説明については楽天ナビのこちらのページをご参照ください。
“目次 - Contents –
1.そもそもターゲティングディスプレイ広告(TDA)とは?
2.キャンペーン選択について
3.セグメント設定の考え方について
3-1.ブランド認知を広げたい場合
3-2.足元の売上を作りたい場合
4.バナーのクリエイティブについて
4-1.ブランドイメージを伝えるバナー
4-2.商品単体のイメージを伝えるバナー
5.最後に
“楽天ターゲティングディスプレイ広告(※以後TDA広告)とは、店舗側で設定したセグメントに付随するユーザーに対し、バナー広告を配信できる広告です。
楽天RPP広告との違いとして、楽天RPP広告は検索結果に商品を表示する広告ですが、TDA広告では楽天内のあらゆる箇所にバナー広告として掲載できるメニューとなっております。
課金制度についてもRPP広告ではクリック課金型なのに対し、TDA広告では広告の表示回数で予算が消化されるため、imp課金制の広告となります。
さらに配信設定における大きな違いとして、RPP広告では商品に対する広告配信のみですが、TDA広告ではTOPページやカテゴリページ等の店舗内ページへの導線設定も可能なため、ブランド認知の拡大やイベント告知等にも効果的な広告と言えるでしょう。”
詳しくは楽天ナビに記載がありますので、そちらをご参照ください。
“TDA広告の設定・出稿方法については以下の流れで実施します。
1.管理画面にログイン後、楽天プロモーションメニューを開き、「ターゲティングディスプレイ広告(TDA)」をクリック
2.キャンペーンをクリックし、「新規登録」を開く
3.入力必要な項目を記載し、登録をクリック
▼入力項目について
・キャンペーン名:特に指定はないため、自由に設定
・キャンペーン期間:開始日時と終了日時を設定
・予算;TDA広告に使用可能な予算を設定
・入札単価:1インプレッションされた際に発生する上限の入札単価を設定
・配信ペース:「予算を日ごとに均等配信」もしくは「アクセス量に合わせて最大配信」を設定
・設定URL:「商品ページをリンク先に設定する」もしくは「店舗トップページ、カテゴリページ、GOLDページをリンク先に設定する」を設定
・対象セグメント:配信対象の商品、ページに関連するターゲットを考慮したセグメントを設定
上記キャンペーン設定のうち、特に重要な要素として「配信ペース」設定については、目的に合わせて設定しましょう。
簡潔に記載すると、「予算を日ごとに均等配信」で配信する場合は予算設定を配信日予算×配信日数で設定。
「アクセス量に合わせて最大配信」については、機関問わずMAXで配信できるだけ配信したい場合に設定、となります。
使い分けについては、RPP広告同様イベント時等に向けたキャンペーン期間設定で配信する場合や、通常日で定期的に配信する場合によって使い分けができるため、それぞれの配信したい目的によって設定するのが最適です。
“TDA広告の主な注意点として、以下が挙げられます。
・キャンペーン期間はいつでも設定できるわけではない
・「配信ペース」「設定URL」は審査完了後の変更ができない
上記注意点における内容と対策は以下となります。
▼キャンペーン期間はいつでも設定できるわけではない
現状楽天TDA広告については各店舗からの人気が高く、各月翌月のキャンペーン登録予約開始日が公開されたのち、早いもの順で予約を取っていく状況となっております。
そのためキャンペーン期間については、予約開始後すぐに埋まってしまう可能性も高く、配信したいと考えていても登録できない。なんてケースも多々あります。
ですからキャンペーンの登録を検討されている店舗様においては、あらかじめ担当楽天ECC等に翌月のキャンペーン予約開始日について確認しておき、予約開始のタイミングで予約枠の確保をすることをおすすめいたします。
▼「配信ペース」「設定URL」は審査完了後の変更ができない
配信ペース、設定URLの項目については、登録審査完了後の変更はできないため、あらかじめどのような目的でどれくらいの予算をどこに充てるのか。をしっかり考えた上で設定をしましょう。
上記とは別になりますが、TDA広告は広告審査がかなり厳しく、バナーの直しが必ずといっていいほど入ってきます。
バナーレギュレーションがかなり細かいため、一度入稿して、修正するというフローの方が効率的になってきます。
画像修正期間お取らなければならないので、余裕を持って取り組みましょう!
少し余談ですが、以前より楽天の審査が遅くなったような気がしてます…
上記のことがありますので、必ず時間的余裕(10日前後)を持ってTDAを入稿して下さい!
“セグメントの決め方として重要な考え方は、何を目的としてTDA広告を実施するかです。
何を目的として実施するかでペルソナの設定が変わってきます。
大きく分けて、2種類があると考えています。
ペルソナを絞りすぎないために、上記の3つのセグメントを設定することをお勧めします。
ブランド認知することが目的ならば、そのジャンルに興味がある男性or女性、年代でペルソナを絞り配信していきます。
上記のペルソナで配信を行うことにより、今まで自社のブランドを知らな合ったターゲットにブランドを知ってもらえる機会が増えます。
ブランド認知が広がるメリットとして、クリティカルマス、ダブルジョパディの法則といった考え方がありますが、長くなってしまいますのでここでは割愛します。
ここで注意しなければならないのが、ペルソナを広げるとROASの数値は悪くなる傾向が高いということです。
当たり前の話になりますが、潜在層にアプローチするため、impは取れるがCVまで結び着きづらいというケースが多いです。
しかし、あらかじめ決めた目的がROASではなく、ブランド認知を広げるためのimpであるならば、ROASが多少低くなってもその広告の目的は果たせたということになります。
上記くらいセグメントを細かく設定することにより、配信するペルソナを細かく絞ることができます。
細かく絞れば絞るほど、その絞り方が間違っていなければ、顕在層にアプローチすることになりますので、CVに繋がりやすくなります。
どうしても今月売上を作らないとヤバイ、という場合はこの方法を実施しましょう。
しかし前述した通り、TDA広告はブランド認知を広げることが得意な広告なため、あまりペルソナを絞りすぎることはお勧めしません。
短期的な売上を作ることはできるかもしれませんが、ブランドの認知を高め新規顧客を獲得していかなければ店舗を長期的に成長させることはできません。
ですので、広告費に余裕がある場合は、なるべく長期的な成長のことを考え、ブランド認知を広げることを目的としてTDAを実施することをお勧めします。
バナーのクリエイティブもTDAの効果を最大化する上で重要な要素です。
ブランドイメージを伝えられ、目を引くようなバナーを使用することができれば、よりTDAのパフォーマンスを高めることができます。
バナーは大きく2種類に分かれると考えています。
バナーを作成する際は、参考となるイメージ探しが重要となります。
個人的な例ですが、ファッションジャンルならばハイファッションブランド(メゾンマルジェラ、ディオールなど)のクリエイティブを参考にしています。
あと映画のポスターなどもいいと思います。
どちらもイメージを伝えるプロ達が、何時間も考えて構成を考えているはずなので、クリエイティブを参考にするにはもってこいです。
また違う視点として、ブランドイメージを伝えるバナーは、長期間広告を打っても効果が落ちにくいという特徴がありました。
考えられる理由として、ブランドイメージを伝えるバナーは、1つのことを伝えているわけではないで、2回目もクリックする理由が残されているからだと考えています。
(経験則に基づく感覚ですのでご了承ください)
商品単体のイメージを伝えるバナーを作成する際は、具体的な効能や実績数字、インパクトのある見た目のクリエイティブにすると効果が高まる傾向にありました。
デメリットとして、短期間しか効果が持続しないという点があります。
おそらくですが、1つの商品を打ち出すバナーは1度クリックされたら、再びクリックされにくいのでしょう。(経験則に基づく感覚ですのでご了承ください)
一度の試聴で、良くも悪くも伝えたい情報が全て伝わってしまうからです。
また、1商品のみを伝えるため、どうしてもターゲットが狭くなってしまい、あまり広がりを作ることができない特徴があります。
逆を言えば、しっかりペルソナ設定をして、商品の魅力がしっかり伝わるバナーを作成し、短期間で配信すれば大きな効果が期待できます。
TDA広告に限らず、ディスプレイ広告において成果を上げるために確認すべき指標はCTVRです。
CTVR(クリックスルービジットレート)とは、CTR(ユーザーに表示された広告のうち、ユーザーに広告をクリックされた割合)とCVR(転換率)を掛け合わせた指標で、「クリックや購入へ、総合的に最も貢献したクリエイティブはどれか」を示す指標です。
計算式は下記の計算方法で算出できます。
CTVR = CTR × CVR
ディスプレイ広告の場合、成果をあげるためには広告クリエイティブがどれだけクリックされたのか?に影響されます。また、ただクリックされただけでなく、クリック後に商品ページをみてもらい実際の購入にどの程度繋がったか?を両軸に判断する必要があります。
CTRとCVRを独立して判断すると下記のような課題があります。
こういった問題がよく発生します。
そのため、独立して指標を判断してしまうと、正しい改善に向けたアクションに繋がらないのです。CTVRを指標にした場合、改善に向けたアクションで意識すべき点は下記になります。
より詳細が知りたい方はこちらの記事でCTVRについて解説しておりますので参考にしてみてください。
全てはTDA広告を行う目的によって、どのようなペルソナにするか、どのようなバナークリエイティブにするかが決まってくるということです。
ですので、最初に目的をしっかり決めることができれば、その後の動きは自然と決まってくるというのが私の考えです。
今回は楽天内広告のTDA広告について、具体的な考え方を書いていきました。
私の考え方が絶対正解というわけではありませんが、1つの考え方の参考にはなると思いますので、ぜひ活用していただければと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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