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CTVRとは?生成AI時代のコンテンツマーケティングにおける重要指標?

2024/09/06

生成AIの登場により、コンテンツマーケティング業界の構造が大きく変化しました。業界構造が変わる中、これまで通りのマーケティング指標でメディアの成果を測るのではなく、成果判断指標自体にも変化が求めらられます。今回はそうした業界変化がある中で、デジタル広告業界で活用されてきたCTVRという指標に着目した内容をまとめました。

CTVRとは?

CTVRClick Through Visit Rate)は、広告領域における重要な指標で、CTR(クリック率)とCVR(コンバージョン率)を掛け合わせた指標です。

これは、広告がどれだけ効果的にクリックされ、その後のコンバージョンに結びついたかを示します。CTVRを高めることで、広告の費用対効果を向上させることが可能です。

この考え方は、本来はクリエイティブ改善のPDCAが寄与しやすいデジタル広告領域で主に活用されている指標です。

CTVRとは?

CTVRとは? 

一方で、SEO業界やコンテンツマーケティング業界の方にとっては意外と耳馴染みのない指標ではないでしょうか?(少なくとも執筆した時点では、CTVRと検索をかけても広告における指標や事例しか出て来ず、コンテンツマーケティング業界で使用されている形跡はありませんでした。そもそもCTVRというワードの検索ボリューム自体も小さかった。)

私の仮説では、広告業界はクリエイティブ更新頻度が多く、改善行動が成果に直接的に寄与するためCTVRという指標が使われていたと考えています。

具体的には下記2点が影響していると考えています。

  • デジタル広告は衝動的な購買意欲を高めることを重視したコンテンツなので、オファー内容の変更や言い回し方法の変更といった要素で成果が大きく変わるため、PDCAするための更新頻度がそもそも多い。

 

  • 広告配信する際に、特定のターゲットにセグメントして配信するため、一定量配信すると、同ユーザーに何度も同じ訴求で配信されてしまい(特にmeta広告は顕著)、ユーザーに飽きられてしまい成果が落ちてしまうため更新頻度が多い。

 

それに対し、コンテンツマーケティング業界では、コンテンツの制作コスト(SEO記事一本で5~10万円、LPに関しては1本100万円ほどかけるのも当たり前)が単純に高いです。

また制作コストが高いだけでなく、丁寧に顧客の態度変容を促しファン化やサービス理解をしてもらった上で、問い合わせに繋げるため、成果が出るまでの時間軸が広告と比較すると相対的に長く、一度作ったコンテンツの改善以上に、コンテンツ資産を増やす新規記事制作にリソースや予算を割く意思決定がされやすい業界だったため、まずはサイトPV数を増やすことが優先されてきた印象です。

しかしながら、生成AIの登場によりコンテンツマーケティング業界の構造変化が起きたことで、改めて成果のために見るべき指標に変化が生じたと考えています。

生成AI登場によるコンテンツマーケティング業界の変化

生成AI登場によって変わった変化の中で最も大きい点は、専門家知識を再現した形でコンテンツが簡単に生成できてしまうという点です。

ちなみに、我々もその特性をマーケティングに最大限活かせるサービスを提供しようと、ChatGPTの登場した翌月末にはおそらく国内で一番最初にSEOライティングツールとしてCreativeDriveをリリースし非常に大きな反響をいただきました。

リリース記事はこちら

クリエイティブドライブのリリース反響

Creative Driveのリリース当時の反響

その後、いくつもの生成AIを活用したSEOライティングツールが世の中にリリースされたことで、かなりの注目度で生成AI✖️SEOライティングの市場が出来上がりました。これは業界的なインパクトは非常に大きく、事実として、生成AI利用でメディアの流入増加といった成果が上がる事例が毎日のように生まれてきています。

つまり、これまで人の手で記事執筆やLP制作していた頃と比較し、効果を出すためのコンテンツ制作における工数が圧倒的に下がってしまったのが今のコンテンツマーケティング業界の現状です。

こうしたコンテンツマーケティング業界のゲームチェンジが起きた中において、これまでのようにサイト流入数をただ増やすことを指標に考えるのではなく、いかにコンテンツを通し狙い通りの成果に繋げるかの重要度がより増してきたと言えます。
つまり、戦略として見るべき指標も今の市場状況に併せて変化させるべきで、我々が最も意味があり、有効活用できると考えている指標がCTVR(Click Through Visit Rate)です。

広告業界では当たり前のCTVRですが、生成AI時代におけるコンテンツマーケティング業界においても重要かつ意味がある理由をまとめていきます。

CTVRに関連するそれぞれの指標について

CTVRを正しく理解する上で、関連する指標についても改めてまとめました。

  • CTRClick Through Rate: コンテンツが表示された回数に対して、どれだけの人がそのコンテンツをクリックしたかを示す割合。CTRはコンテンツの魅力やクリックされやすさを評価するために使用される。一般的に広告コンテンツでよく利用される指標だが、例えばオウンドメディア内のバナーやCTAボタンにおいても同様の考えが必要になる。

 

  • CVRConversion Rate: コンテンツをクリックした人の中で、どれだけの人が実際に商品購入やサービス登録などのコンバージョンに至ったかを示す割合。CVRは最終的な成果を測るために重要となる。

 

  • MCV(Micro Conversion):ウェブサイトやアプリケーションにおいて、最終的なコンバージョンに至るまでの中間地点の目標達成を指す。これには、ホワイトペーパーダウンロード、ニュースレターの登録、商品ページの閲覧、カートへの商品追加などが含まれる。

     

    つまり、コンテンツ品質指標であるCTRとビジネスの成果指標であるCVRを掛け合わせた指標で、クリエイティブがクリックからコンバージョンまでどれだけ貢献したかを示します。例えば、CTRが高くてもCVRが低い場合、クリックは多いがコンバージョンには結びついていないことがわかります。一方で、CTVRを用いることで、クリックとコンバージョンの両方に貢献しているコンテンツを特定することが可能となります。

     

    CTVR活用する上でのメリット

    成果貢献につながっているコンテンツの特定をできるCTVRを正しく把握することで、コンテンツマーケティングにおいても下記のメリットがあります。

    コンテンツマーケティングにおける総合的な評価

    CTVRは、コンテンツのバランス力を評価するために使用されます。CTRCVRだけでは見えない、コンテンツ全体の効果を総合的に把握することができます。

    例えば、ECを例にあげると、サイトへのセッションが増えているのにも関わらず、リード獲得に繋がっていない場合、CVRだけを改善に向けた指標にしてしまうと、オファー訴求を強めるためにセール価格を下げよう、LPの最適化を図ろうといった発想が生まれます。

    しかし、CTVRを指標にした場合だと、どこのチャネル経由のクリックがCVに寄与しているか?検索の場合、どのキーワード経由か?またどの記事をみてからLPに到達したのか?といった顧客行動と、顧客との接触面でどのような情報を届けることができたか?といった顧客の行動変容に合わせた戦略を立てることが可能となります。

    費用対効果の最大化

    どの記事、ないしはどの記事グループが成果に寄与しているかを明確化できるため、施策費用に対する成果を最大化することが可能です。これは、コンテンツがどれだけ効果的にユーザーを引き付け、最終的な行動に結びつけているかを示すため、マーケティング戦略の改善に役立ちます。

    例えば、一般的にハウツー記事は顧客の調べたい情報を提供することには繋がりますが、直接的なCVには繋がりにくいです。一方で、自社サービスの利用事例が書かれた記事であれば、サービスを検討している人が購買する前に読む記事になるため、その事例がよければ、調べているユーザーも問い合わせてみようとなりますよね。

    このようにコンテンツの種類によって、CVに直接寄与するものか、PVに寄与するものかの違いが発生するため、リード獲得の成果に寄与させるにしても、どのコンテンツを改良すべきかが判断できれば、成果寄与に繋がるコンテンツのリライトや、関連性の高い新規記事を制作すれば良いことが見えてくるため、効率的に記事制作が可能となり、費用対効果の最大化にも繋がります。

    CTVRを向上させる方法

    CTVRを向上させるための方法について、以下のような具体的な施策例をいくつか挙げます。

    導線の最適化

    ユーザーが目的の行動に至るまでの流れをスムーズにすることが重要です。ページ間の遷移が自然でわかりやすく、コンテンツが価値を伝えているかを確認し改善します。

    ターゲットに合わせたコンテンツ発信

    ユーザーのニーズや関心に合わせたコンテンツを提供することで、CVRを高めることができます。特に、ユーザーの購買意欲や知識レベルに応じた情報提供が効果的です。

    CTA(コール・トゥ・アクション)の最適化

    CTAの数を増やし、位置やサイズ、色、文言を工夫することで、ユーザーの行動を促進します。CTAは目立つ位置に配置し、行動を促す明確な表現を用いることが推奨されます。

    エントリーフォーム最適化(EFO

    フォームの入力項目を最小限にし、ユーザーがストレスなく入力できるようにすることで、エントリー率を高めます。

    UX/UIの改善

    サイト全体のユーザー体験を向上させるために、デザインやナビゲーションの見直しを行います。特にモバイル対応やページ速度の最適化は重要です。

     

    これらの施策は、記事品質を高めるだけでなく、ユーザー体験を向上させることでCVRを高めることができるとされています。各施策は継続的な見直しと最適化が必要であり、データ分析によって効果を測定しながら進めることが重要です。

    ちなみに、個人的にCTVR計測でおすすめなツールはLeanGO様の提供されているDejamがおすすめです。いわゆるLPOツールですが、他とは異なる特徴としてはCV計測ができる点と、カテゴリグループ単位で効果計測ができる点、またツール内でポップアップバナーなども作成できるため、効果計測した内容をもとに成果反映に繋げやすいのがおすすめの理由です。

    Googleもコアアップデートを繰り返し、ただ単純にコンテンツ量産すればいいというわけではなく、コンテンツ価値(独自情報やユーザーにとって価値ある情報)の重要性や、ドメイン全体のカテゴリ明確化などの重要度が増しており、リード獲得に繋げるための施策が結果的にサイト流入増加にも影響を与えることが見えてきています。

    ぜひ皆様もメディア運用される際は、ただ記事本数を増やしPV数を増やすことを考えるのではなく、CTVR指標をKPIにし、コンテンツマーケティング戦略を立ててみてください。

    CTVRを軸にした支援

    我々chipperでも、Creative DriveのSaaS提供とは別にCTVRを軸にしたSEOの運用代行支援と記事制作代行(AI×パーソナライズデータ×プロライターによる記事制作でより高い品質かつ相場よりも圧倒的な低価格で提供)を行っています。

    こちらのサービスでは、ハウツー記事だけでなく、成果に寄与しやすい事例記事やインタビュー記事、比較記事などの執筆から、貴社のメディアで成果の上がっている型をフォーマットとしたカスタム記事の生成なども請け負っております。

    リード獲得の成果に繋げて事業拡大を目指されている事業者様はぜひお問い合わせください。