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【webでの売上を伸ばしたい方必見】広告だけに頼らないweb戦略全体設計の考え方

2021/11/03
サムネ

web広告をやったのに売上に繋がらない、snsに力を入れて投稿を頑張っているのに売上に繋がらない、インフルエンサーも活用しているのに効果はイマイチだったなど多くの悩みを耳にします。
それらが売上を上げるためのどの部分に影響を与えているのかを分解しないまま行なってしまうと、点での施策になってしまい売上につながっていかないというケースに陥りがちです。

そこで今回の記事ではweb広告のおおまかな現状と、その中でECサイトの売上を増やしていくためのweb戦略の全体設計について事例を交えながら解説していきます。

 

この記事はこのような方向けに書いています
  • ECサイト運営者

  • CPAを下げたいと思っている方

  • web広告での成果がなかなか上がらない方

  • ECサイトの売り上げをもっと伸ばしていきたいがweb戦略の立て方が分からない方

 

web広告の現状

成長していくweb広告市場

まず2021年のweb広告の現状について解説していきます。

以下のグラフはweb広告費の推移となってます。

web広告額推移

※データ参照元:株式会社サイバーエージェント

このグラフを見るとweb広告が継続的に成長傾向にあることがわかります。
この事実については、皆さん感覚的にインターネット市場が伸びているのを感じていると思います。

webに参入することが当たり前となり、プレイヤーが増えたことによって競合も増加し、その増えた競合に対して優位性を保つために広告費も増えていくという構造で、web広告費は今後も大きく増えていくでしょう。

 

成長に伴い比率が上昇している「広告トラッキングブロック率」

大きく拡大しているweb広告市場ですが、異なる視点として「広告トラッキングブロック率」についても注目していただきたいです。

以下のグラフを見ると年々広告ブロック率が増えています。

広告トラッキングブロック率

これは個人情報保護の観点からcookie情報を取るのが難しくなっている背景と、人々が広告に不快感を感じている背景があります。

web広告の基本的な考え方としては、「最初は広いターゲットだったところから広告に機械学習をさせて狭いターゲットへ絞っていき、その中で見えてきた効果の高い属性に、効果の高いクリエイティブの広告を配信する」というものです。

上記の流れを行なっていくには、ユーザーの様々な情報(年齢、性別、興味関心など)を取得できる方がより正確なセグメントが可能となります。
そのためweb広告はユーザー情報が命といっても過言ではありません。

Facebook広告がweb広告の中で強いと言われている理由は、実名登録をしており限りなく個人の正確な情報を取得できるからです。

ここで大きな問題が発生しているのにお気づきでしょうか?

web広告費は増えているのに、web広告の命とも言えるユーザー情報の取得が難しくなっているのです。

つまりこれまでと比べても、CPAを下げることが一層難しくなっているということです。

まだTikTok広告など比較的CPAが低い媒体は存在しますが、すぐに参入者が増えてCPAは高騰していきます。
この流れはweb広告の歴史を見ていけば、当然の流れでありGoogleから始まりYahoo!、Facebook、LINE、TikTokなどその時代時代ごとに安く獲得できる媒体があり、その媒体に人が集まる→飽和してCPAが高くなる→安い媒体を探す→飽和してCPAが高くなる…という歴史を繰り返しています。

2021年現在、比較的新しい媒体がTikTok広告なだけであり、あと1〜2年すればこれまでと同様の動きが出てくるでしょう。
このような流れからweb広告だけでは、CPAを下げて黒字化させることが難しくなってきています。

※定期通販やSaaS系は広告経由の獲得が多くても比較的成り立つ構造になっています。
CPAやLTV、そこから算出されるユニットエコノミクスなど考え方の指標を使って試算することができるため、投資判断をするための材料が多く存在します。
ただ広告を打ってそこから買ってもらう、というモデルよりも、自分たちで考えてどうにかできる要素が多いというイメージです。

※より詳細な背景、戦略の部分はこちらの記事をご覧ください

では今売れているプロダクトはどのようなweb戦略をとっているのでしょうか?
実際の事例で説明していきます。

 

成功しているプロダクトの流入分析

それでは、実際に売れているプロダクトを例にとって見ていきましょう。
※プロダクト名は控えさせていただきますが、そのジャンルでは1番の知名度を誇るプロダクトです。
分析ツール(Similarweb、Ahrefs等)やその他情報を利用して算出したものになります。

以下の流入分析の数値を見ていただくと、間接流入が50%を超えていて、広告経由が20%程度だということがわかります。

流入分析

次に流入元売上を見ると、広告経由売上のROASが50%程度だとわかります。

つまり、この売れているプロダクトでさえも広告経由のみでの獲得は赤字であり、広告だけを回していてはビジネスとして成り立たないのです。

 

web戦略全体で考える

間接流入を増加させる

広告だけを回していてはCPAが合わず、ビジネスとして成り立たないことを解説しました。
ではどのようにしてビジネスを成り立たせているのでしょうか。
先ほどの内容の「間接流入が50%を超えている」という部分の「間接流入」というワードがビジネスを成り立たせる肝となります。

間接流入というのは、検索や広告以外から流入していることを指します。

つまり誰かからの紹介(アフィリエイト)やweb媒体(PR)経由でサイトに流入しているということです。
ahrefs(エイチレフス)などのツールを使用して分析してみると、売れているプロダクトが例に漏れず「被リンク数が多く安定して被リンクが増えていく構造」を作っていることが一目瞭然です。
以下の画像の左側が売れているサイトの紹介数で、右側が売れていないサイトの紹介数です。

つまり、売れているブランドは立ち上げ時期から紹介数に圧倒的な差があるということです。

比較

では、どのようにして被リンクの瞬間的な増加だけではなく、安定して増えていくような構造を作ることができるのでしょうか。

その肝となるキーワードは、プロダクト設計とPRです。

 

プロダクト設計

まずキーワードの一つ目「プロダクト設計」について解説していきます。

間接流入を増やすためには、プロダクト自体を話題にさせる必要があります。
「いや、そんな簡単に話題になったら苦労しないよ!」思うかもしれません。
その通りで何が話題になるかなんて100%当てることはできません。
しかし、話題になるように仕向けることはできます。

考え方の1例としては、
自分たちの商材にあっているSNSは何か?→年齢層、属性を考えるとInstagramだ→Instagramで広めるためにはどうすれば良いか?→インフルエンサーに紹介してもらおう・ユーザーが投稿したくなる設計を考えよう→Instagramのフィード投稿は正方形だから、その形にピッタリと当てはまるような商品設計にしよう

などがあります。
上記の流れはざっくりしていますが、実際にプロジェクトを行う際はもっとそれぞれの項目について深掘りしていくイメージです。

 

革命のファンファーレ事例

実際の事例として、今から4年前の話になってしまいますが、2017年に「革命のファンファーレ」というビジネス本が大ヒットしました。
著者はキングコングの西野亮廣さんです。
この本には現代のマーケティング手法が色々と書かれていましたが、この記事ではInstagram上だけでのマーケティング手法についてピックアップします。
下の画像ですが、パワーワードとなる一言が本のページに差し込まれており、そのページがInstagramのフィード投稿の形式である正方形の形になっています。

革命のファンファーレ
この形にすることによって、読み手がInstagram上に投稿してもらいやすくなる仕組みを作っています。さらに#革命のファンファーレをつけて投稿してくれた人に対して、いいねを押していくという泥臭いが確実にエンゲージメントを取る方法を粛々と行なっていました。

スーパーインフルエンサーの西野亮廣さんでさえ、少しの工夫と、この泥臭い作業の両立をすることによりプロモーションを成功させています。

プロダクト設計〜web上で拡散される仕組みを作って、その上で自分たちでできることは泥臭くても全てやるという心持ちがなくてはなりません。

 

PR

もう一つのキーワード「PR」の解説をしていきます。
PRとは、パブリックとの間に互いに利益のある関係を築く戦略的コミュニケーションのことです。

広告とPRは何が異なるのでしょうか。

広告はマスメディアやweb上の枠を買い取って、自社の商品を直接的にアピールを行います。
掲載料金を支払っているため、広告内容や紹介時期などは希望通りのものを制作できます。

一方PRでは、ニュースや記事などメディアを通した間接的なアプローチを仕掛けます。
PRは料金が発生しない分メディアの意思に左右され、自社の思い通りに内容や紹介時期をコントロールできません。しかし第三者を介することで、消費者の信頼性が増すといった利点があると言えるでしょう

このPRを積極的に行っていくことが間接流入を増やすことの鍵となります。
なぜうまくPRを行うと間接流入が増えていくか、もう少し詳しく解説していきます。

 

PRと間接流入の関係性

まず狙う掲載先としては、そのジャンルで権威がある・信頼されている媒体です。
※自分たちのプロダクトの顧客属性とマッチした媒体選びが重要です

例えばハイエンドでこだわったプロダクトやしっかりしたストーリーが好きな属性を狙う場合で考えてみましょう。
目指す媒体としてはwebや雑誌であれば、ファッションジャンルの「VOUGE」やグルメジャンルの「東京カレンダー」、こだわりの職人系の物語を含むプロダクトを伝えたい場合は「ガイアの夜明け」などといった媒体へ掲載してもらえるように動いていく必要があります。

しかし、そう簡単には掲載はできませんよね。
ここで押さえておかなければならないのがPRは人脈勝負だということです。
上記にあるような有名媒体に掲載してもらうには、そこへ繋がっている人に推薦してもらうのが1番の近道となります。

権威のある媒体に掲載することができれば、ユーザーの目に触れる機会が増え、SNSで拡散されやすくなり、アフィリエイターにも紹介してもらいやすくなる構造を作ることができます。

※SNSで拡散させるためのインフルエンサーマーケティングについてはこちらの記事をご覧ください

商品を拡散していく施策の一環として、アフィリエイト商品を紹介するアフィリエイターの視点で考えると、なるべく売れそうな商品や紹介しやすい商品を紹介したいという心理が働きます。
売れそうな商品とは、SNSでバズっているものや権威ある有名媒体に掲載されているものを指します。
また、プロダクト設計でも触れたように、紹介しやすい見栄えやストーリー設計も重要な要素の一つとなります。

PRに絞ってみると、有名な権威ある媒体という川上をおさえることで、それ以降の川下にも自然に広がっていくという構造を構築すること+SNSでバズらせることが間接流入を増やす上で重要になります。

 

おわりに

「とりあえずweb広告だけ運用してみてるけどなかなか効果が上がらない」という話をよく耳にします。

重要なのは、web広告含めたweb戦略全体を設計して販売をすることです。

弊社では上記で紹介したような商品設計〜販売戦略(広告、PR等)〜運用までを一貫してサポートしています。
様々な企業・個人とアライアンスを組むことにより、プロダクトデザインに優れた人材・PRに優れた人材など、そのプロジェクトに必要な要件を決めた上でチームを組むことにより、web戦略全体を一貫してサポートすることを可能としています。

新規事業を立ち上げたい、既存の事業を伸ばしたい・リニューアルしたい方は一度お問い合わせください。

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① ECの基本知識について解説
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② EC業界の構造変更について
近年のEC事業者数の増加や法改正により生じているCVRの悪化について詳しく解説いたします
③ CPAとLTVの考え方
売上LTVと利益LTVに言及しながら、事業改善策についてお伝えいたします
④ これからのマーケティング戦略
VUCAの時代における事業のあり方について考えていきます
⑤ EC事業構築の考え方
「1年後以降も利益の出る事業」について2つのマーケティング手法を伝授いたします