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【2023年最新】人気D2Cブランド4選と2022年伸びた美容EC商品2選

2023/02/03
人気D2Cブランド厳選4選の成功事例まとめ

近年、海外や国内を問わず熱い視線を集めているD2C
その大きな特徴として、自社から消費者へ直接届け、卸や小売を挟まないことからメーカーと消費者の距離が近いことが挙げられます。
創業者が持つ明確な夢や想いをブランド/商品で実現できると、その世界観に共感する顧客が増えやすくなります。

国内で成功している人気D2Cブランド立ち上げのきっかけを調べてみると、日常に転がる小さな気づきや疑問が鍵となっていることがわかりました。

今回の記事では、数ある国内D2Cブランドの中から成功事例と言える注目ブランドを4つピックアップし、各ブランドの創業のきっかけについて解説します。
「そもそもD2Cってなに?」という方は、ぜひこちらの記事もご覧ください!

▼参考記事
https://corp.chipper.co.jp/media/d2c/2325/


また、マーケットリサーチに用いるツールのうち、Yahoo!JAPANが提供しているサービスである「DS.INSIGHTを活用しペルソナの具体的な分析例をご紹介します。

DS.INSIGHTは、ヤフーの行動ビックデータを分析することができ、指定したキーワードの年代・性別、一緒に検索したキーワードのボリュームなどが可視化されます。(データは統計化されており、個人の特定はできません)

この記事はこのような方向けに書いています
  • D2Cブランド立ち上げきっかけの事例を知りたい方
  • マーケティングリサーチツールの使用例を知りたい方

 

日本の人気D2Cブランド成功事例4選

Z世代レディースアパレルD2C「17kg」

韓国系レディースファッションを超プチプラ値段で取り扱う、若い世代の女子向けアパレルブランド。
「そんなにお金を持っていないユーザーの子でも、めちゃめちゃおしゃれができるようにしたい」という思いから立ち上げた17kgは、インスタを中心に若い世代の女子から圧倒的な人気を誇っています。
日本のプチプラとは少し違った、韓国ファッションの個性的な世界観を低価格で誰でも楽しめるブランドを確立したいと代表の塚原健司氏は語ります。

https://17kg.shop/

 

身長155cm以下専用アパレルブランド「COHINA」

ディレクターの田中絢子氏が低身長で、かつて洋服選びに困った経験から生まれたアパレルブランドです。
その特徴は、ターゲットを身長155cm以下の女性に絞っていること。
田中氏自身、「可愛いものを探す」というよりは「サイズにあった洋服を探す」ことが多かったことから、「好き」と「ぴったり」の両方を叶える素敵な服を作るため大学時代に起業しました。

「身長を理由に何かを諦めることを社会から無くしていきたい」という田中氏の思いがきっかけで生まれたCOHINAは、地道なコンテンツ配信の継続が功を奏し、現在Instagram20万人のフォロワーを抱え多くの人から絶大な支持を誇っています。「新しいものと永く続くものを繋げて時代のうねりを生み出す」社会の実現を目指しています。

https://cohina.net/

マーケリサーチツールを用いると、同じレディース系アパレルでも、そのペルソナの明確な違いを数字を通して明らかにすることができます。
ツールはいくつかありますが、今回はDS.INSIGHTを使用し二つのブランドを比較してみます。
DS.INSIGHTでは、指定したキーワードで検索したユーザーの年代・性別・一緒に検索したキーワードのボリュームなど、行動ビッグデータを分析することができます。
以下は「17kg」と「COHINA」で分析し比較した結果です。

17kgCOHINAともに女性の割合が90%を占めている一方で、違いは年代層に顕著に現れています。

17kgの検索ユーザー層をみると、10代が最も多い49%20代が27%と続き30代が5%と一気に下がります。
特筆すべきは40代の数字です。30代で一度下がった数字が、40代になると11%まで上がっています。

一方でCOHINAの検索ユーザー年代層は、一番多いのが20代の30%、続いて30代が27%でしたが、17kgで最も数の多かった10代は9%に留まりました。

以上のことから、17kgの顧客層は10−20代、COHINA20−30代であることが数字で明らかになります。
17kgにおいて40代の数値が上がっているのは、ターゲット層の母親世代が娘のために「17kg」で検索していることが考えられます。

 

完全栄養食「BASE FOOD」

「主食をイノベーションし、健康を当たり前に」というミッションを掲げるベースフード株式会社のBASEFOODは、完全栄養の主食を取り扱っています。
代表の橋下氏がIT企業勤務時代に「主食だけで健康になれないか?」と考えたことがきっかけで立ち上げたブランドです。

パンやパスタを食べるだけで一食に必要な栄養素が全て摂れるBASEFOODは、忙しい毎日を送り人でも手軽に栄養バランスが良い、美味しくて体にいいものを摂れることから人気を呼び、2021818日時点で累計販売数は1000万食を突破しました。
店舗展開としてコンビニエンスストアの棚も獲得し、完全栄養食業界のパイオニアとして各所から注目されています。
誰にとっても必要であるはずの「健康な食事」を簡単に、誰の元にも栄養バランスが届く社会である「栄養のインフラ」を目指しています。

https://basefood.co.jp/

 

無添加栄養食「GREEN SPOON」

簡便に健康な食が手に入るプロダクトを創りたい」という思いで創業したGREEN SPOON。

自分の体に必要な野菜、フルーツを知り、簡単に楽しく健康な食生活を続けていくようサポートしてくれる定額制パーソナルスムージーを扱う新しいウェルネスブランドです。ECサイトがとても素敵ですね。
楽しい食のヘルスケア習慣を身につけ、自分を大切にする実感が、「自分を好きでい続けられる人生」に繋がることを目指しています。ユーザーの声を基に常に商品開発をアップデートしていることでも有名です。

https://green-spoon.jp/

二つのブランドをDS.INSIGHTで分析したところ、検索する層の年代はほどんど同じだったものの、性別に数値の違いが見られました。

続いて、それぞれのキーワードを検索した前後に何を調べたかを表す「時系列キーワード」を分析したところ、以下のような分析結果が見られました。

「BASEFOOD」の前後に検索されたワード

「BASEFOOD」の前に検索されたワードを見てみると、「完全食」、「マッスルデリ」、「pfcバランス」といったワードが並んでいます。体づくりに興味を持ち全般的に調べていた人が、検索を進めるうちにBASEFOODに辿り着き、具体的な商品名で検索するようになったことが伺えます。

 

「GREEN SPOON」の前後に検索されたワード

一方で「GREEN SPOON」は、前に検索されたワードに「diptyque」や「gelato pique」「baycrews」など、「BASEFOOD」で検索した際よりレディース向けプロダクト関連のワードが目立つことから、女性向けのメディアで紹介され、記事を読んだ後にプロダクト名で直接検索されたことが予想されます。

 

2022年売れた美容系EC2選

YOLU

YOLUとは、株式会社I-neが提供するナイトキャップ発想のナイトケアブランドです。 就寝中のケアに着目し、睡眠中の乾燥・摩擦ダメージから髪を守るという特徴を持っています。

髪質に応じて2つのバリエーションを提供しているので「どっち」という掛け合わせが多いことと、女性が多い中で年代は満遍なく検索されていることが特徴です。

弊社がリサーチした限り、Web広告はあまり行っておらず、実店舗販売とPR戦略を重視している印象でした。
SNSでシェアしたくなる商品クリエイティブを意識し、ギフティングに頼らない自然拡散を狙った戦略がうまくハマりました。

また、同一企業の先行商品「ドロアス」では、卸業者への利益配分を鑑みなかった原価設計にしてしまい思うように配荷率が上がらなかったため、本ブランドではそこを意識した原価/価格設計になっています。
先述のSNS拡散戦略との掛け合わせの結果、「卸業者が取り扱いたい動機付け」が形成されたようです。

 

SHIKARI

SHIKARIとは、「See me.」をコンセプトとした総合スキンケアブランドです。
2022年特に売れたのが下記の洗顔しながらメラニンケアができる商品「BRIGHTENING WASH」です。
これまでは洗顔をした後、美肌クリームを使うという流れが一般的でしたが、洗顔と同時にできるという価値が市場に受け入れられました。

ほとんどが30代女性となります。主に月初から1週間のみしか販売を行わないため、その時期に検索数が大きく増える傾向がありました。
実はこの販売戦略が顧客心理をうまく捉えることができました。

意図的なのか偶発的なのかはわかりませんが、販売開始後即完売となる構造になっているため、下記のような効果が期待できます。

1.入手自体に価値が生まれるため、SNSでの拡散が見込める
2.再販後に検索数が上がるため、SEO効果が上がりやすい
3.定期契約者から優先的に在庫確保されるため、入手難易度が高くなるため定期が解約されづらい

消費者の「もったいない」と感じる心理を利用した、非常に効果的なマーケティング手法です。

 

下記ページの資料では5位まで取り上げ、他3商品をご紹介しております。続きが気になる方は下記より資料ダウンロードください。

 

成功しているD2Cブランドの共通点

熱い視線を集めているD2Cブランドは、立ち上げのきっかけに目を向けると創業者の身近な思いからプロダクトに発展していることが分かります。代理店や小売店を介さず、消費者とダイレクトに取引を行うD2Cだからこそ、世界観の構築をより効果的に実現することができます。また、SNSを利用しファンとの双方向コミュニケーションを行うことで、LTVを最大化しています。

また、世界観だけではなく商品自体も実利を伴う設計にしています。タイムパフォーマンスを重視する傾向のある日本人にとって、「これまでしていた◯◯をしなくても良くなる」という商品設計・商品価値が受け入れられているように感じます。
(データで見ても、「倍速再生」というキーワードは2022年の1年間で昨年の2倍近く伸びています)

また、DS.INSIGHTをはじめとしたマーケティングリサーチツールを用いることで、データドリブンで新規事業立ち上げのペルソナ策定や、ターゲティングへの活用が見込まれます。

chipperでは、D2Cビジネス立ち上げ・リブランディングの支援を行っております。
自分のD2Cブランドを通して身近な問題を解決したい、などのご相談がある方はぜひお問い合わせください。

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