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【薬機法広告表現】Amazonでの薬機法違反実例と対応策

2021/05/31

前回の記事では、薬機法の基礎知識について解説しました。

▼前回の記事はこちらから

今回はさらにECモール(その中でも薬機法違反による商品削除事例の多いAmazon) に焦点を当てて、これまで起こった実例を交えながら対応策について解説していきます。

ECモールに焦点を当てているとはいえ、自社ECサイトで起こり得る違反実例もありますので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

※この記事に記載している内容は、記事執筆時点での内容となります。法律やモール規約などの改正によって、記載内容との相違が発生する可能性がございますのであらかじめご了承ください。

 

この記事はこんな方に向けて書いています

  • ECモールで美容、健康系のジャンルに出品している方
  • 自社ECサイトで美容、健康系の商品を販売している方
  • 出品を取り消されてしまったことがある方
  • 薬機法に抵触せずにより高い広告効果を上げたい方
  • ECコンサルタントになったばかりの方

 

1. Amazonでの薬機法規則

1-1. Amazonの特徴

薬機法の観点で見た際のAmazonのモール特徴は、

①自動での違反判別が厳しい

②一方で、人の目によるチェックをすり抜けている商品も多くある

の2点が挙げられます。

 

①の自動判定はアルゴリズムが公開されていないため想定ベースになってしまいますが、禁止ワードに反応しての商品ページが削除されてしまうものと考えられます。

②は、商品数が膨大であるがゆえに禁止ワードの言い換えや区切りを挟むなど、チェックをすり抜けているものと思われます。

ただ、商品名や検索キーワードにグレーゾーンかなというワードを記載して商品登録ができたとしても、商品ページの削除は突然行われるため、そういったリスクがあることは念頭に置いた方がいいでしょう。

また、Amazonで商品ページ削除が行われた場合、具体的な修正箇所は指摘されないため、薬機法違反以外の可能性も考慮する必要があります

 

1-2.Amazon規約

Amazonでは、消費者が誤認して商品を購入しないよう、製品の品質や特性について誤解を招くような製品の販売が禁止されています。

商品広告・宣伝文言については、食品、栄養補助食品(サプリメント)または雑貨を販売する際の使用禁止ワードが、下記の通り明確に定められています。

  • がん/ 癌
  • 類がん/ 類癌
  • クラミジア
  • サイトメガロウイルス(CMV)
  • ヒトパピローマウイルス(HPV)
  • 淋病(ザ・クラップ)
  • 肝炎(A型、B型およびC型)
  • 単純ヘルペスウイルス1および2(HSV1およびHSV2)
  • ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
  • 後天性免疫不全症候群(AIDS)
  • 性器クラミジア感染症(LGV)
  • 単核球症(MONO)
  • マイコプラズマ・ジェニタリウム
  • 非淋菌性尿毒症(NGU)
  • 骨盤内炎症性疾患(PID)
  • 毛ジラミ(Crabs)
  • 疥癬
  • 梅毒
  • トリコモナス症(Trich)
  • 肝疾患
  • 多発性硬化症
  • 腎硬化症、腎臓病
  • アルツハイマー病
  • 認知症
  • 心臓発作、脳卒中
  • パーキンソン病
  • 糖尿病/ 糖尿病/ 糖尿病性ニューロパシー
  • 流感
  • インフルエンザ
  • 髄膜炎
  • 緑内障
  • 白内障
  • 注意欠陥・多動性障害(別名ADDまたはADHD)
  • 脳振盪
  • 外傷性脳損傷(TBI)
  • 抗菌
  • 抗菌
  • 抗真菌
  • 腫瘍
  • 季節性情動障害(SAD)
  • うつ病
  • 嚢胞性線維症
  • ホジキンリンパ腫
  • ループス
  • 筋ジストロフィー
  • 多発性硬化症
  • ALS(筋萎縮性側索硬化症、またはルーゲーリック病)
  • 痛風
  • クローン病
  • セリアック病
  • てんかん
  • けいれん発作
  • 肥満
  • 自閉症
  • 精力増強、性的機能
  • バストアップ
  • 心臓病、心疾患
  • 記憶力向上
  • 動脈硬化
  • 血圧、血栓、血糖
  • 老化、アンチエイジング、若返り
  • メタボリックシンドローム、成人病、生活習慣病
  • 滋養強壮
  • 花粉症
  • 便秘
  • 骨粗しょう症
  • アトピー性皮膚炎
  • コレステロール
  • リウマチ
  • 関節痛
  • 精神疾患
  • 泌尿器疾患
  • 鎮静、鎮痛
  • 妊娠、不妊
  • アレルギー
  • 更年期障害
  • ホルモン分泌
  • 免疫力
  • かぶれ、湿疹、かゆみ
  • くしゃみ、せき、風邪
  • ダイエット、痩身
  • デトックス、毒素排出
  • ニキビ、吹き出物
  • 腰痛、肩こり、首痛
  • 貧血
  • 二日酔い
  • 筋肉増強
  • 血液サラサラ
  • 血行、血流
  • 抗酸化
  • 細胞再生
  • 虫歯、歯周病、歯肉炎
  • 視力、聴力
  • 傷痕
  • 新陳代謝
  • 睡眠障害、不眠症
  • 体質改善
  • 育毛、発毛
  • 抑毛
  • むくみ
  • いびき
  • 外反母趾
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
  • 殺菌
  • 特定の菌、ウイルスに対する効果
  • 疲労回復

出展:Amazon規約ページ

 

上記一覧はあくまでも一例であり、こちらに記載がなくとも薬機法に抵触していると判断された際には、事前通告なしで商品ページを削除されてしまうことがあります。

また、細かい規定は「栄養補助食品」「飲料&食品」でさらに規定がありますので、詳細はセラーセントラルのヘルプページにて「禁止」で検索してみてください。

 

2. Amazonにおける薬機法違反の実例と対応策

これまでAmazonのモール特性と実際の規約について説明してきましたが、ここからはより具体的な事例を交えながら解説していきます。

 

2-1. 美容液の事例

アレルギー体質や敏感肌の方に向けた全身美容液の事例です。

 

先ほど記載したAmazonの禁止文言によって「アトピー(アトピー性皮膚炎)」や「アレルギー」を商品名や検索キーワードに記載することはできません。

こういった部分には注意を払っていたのですが、商品サムネイル内に「アトピー」という文字が残ってしまっていたため、商品ページを削除されてしまいました。

おそらく画像内の表記だったため当初はAmazon内でのチェックに引っかからず、販売できてしまっていたものと思います。

 

2-2. 対応と影響

画像内で使用されていた「アトピー」という文言を削除し、Amazonへ申請をあげて対応しました。

しかし、こちらの商品ページの復活には2週間ほど時間がかかってしまい、売上の大半を占めていたこともあり大きな売上ダメージとなりました。

 

 

2-3. サプリメントの事例

続いてはカプサイシンなどを使用した、ダイエット訴求のサプリメントの事例です。

 

先ほどのAmazon規約によると、「ダイエット」「痩身」「メタボリックシンドローム」「新陳代謝」「体質改善」あたりのキーワードを使用すると、まず削除されてしまうでしょう。

※余談ですが、現在でも「ダイエット」というワードを使用している商品は多く出品されております。特に「ダイエット補助食品」というAmazon公式のカテゴリーがあるので、何らかのロジックが働いている可能性はあります。

 

さて、今回事例として取り上げるサプリメントが引っかかってしまったワードはどのようなワードでしょう。

検証を重ね「脂肪」「燃焼」とそれぞれのワードが複合的に判断され、商品削除に至ったものと判明しました。

「脂肪燃焼」と具体的に規約には書かれていませんが、モールの規約は薬機法が基本になっています。その薬機法では今回のサプリメントが分類される「化粧品」は「脂肪が燃焼する」という身体の変化を謳うことはできないのです。

 

▼前回の記事はこちらから

 

2-4. 対応と影響

規約に抵触したワードが、商品名・商品サムネイル・商品紹介コンテンツ・商品説明文と多岐にわたり使用されていたため、ひとつひとつに対して細かく該当文言を確認していきました。

また、文言を修正することにより訴求力が下がってしまうと考え、画像部分は色味など工夫をしながらできる薬機法違反にならないよう作成し直しました。

この時は、幸いなことに申請の翌日には商品ページが復活したため、大きな売上損失には繋がりませんでした。

 

 

2-5. 対応策まとめ

Amazonでの薬機法違反時の対応についてまとめて記載します。

 

①通知

まず、何らかの規約違反によって商品ページが削除された際には、「パフォーマンス通知」または「アカウント健全性ダッシュボード」に通知が届きます。

※登録のマスターアドレスにメールで通知が届く場合もあります。

 

②修正対応

冒頭で記載した通り、具体的な削除理由は記載されていないため、自分自身でAmazon規約や関連法律を調べ、可能性がある部分を修正します。

 

③審査提出

修正完了後、テクニカルサポートから修正完了の旨と該当ASINを送信します。この時に些細なことですが、「お世話になっております」等の文言を添えるようにしています。

実際に審査に影響があるわけではないと思いますが、テクニカルサポートの担当者も機械ではないので、思いやりを持って接するように心がけています。

 

④審査完了

審査期間は、テクニカルサポートへ情報を送信してから、平均して5営業日ほどです。追加で修正が必要な場合は、その旨が通知されるので都度の対応が必要となります。

※早くて1営業日、長いと2週間ほどかかる可能性があります。

 

3. よくあるNG表現

上記例以外での、NGとなるよくある事例についてもまとめました。

意外とよく見かけるような表現であっても、厳密には法律で規定されておりリスクある表現です。

ECモールや自社ECサイトに関わらず、注意を払う必要があります。

また、「化粧品」と「医薬部外品」でも可能な表現が異なりますので、前回記事もぜひご参照ください。

▼前回の記事はこちらから

NG表現 詳細 言い換え案 備考
敏感肌専用 特定の肌専用という表現がNG 敏感肌用 「爪専用(ネイル、ネイルリムーバー等)」「洗い流し専用」という用途という意味での専用表現であればOK
疲れ 疲労回復的表現はNG
肌のすみずみ
肌の奥まで浸透
化粧品の理屈上 「浸透」という表現には、「角質層まで」という注釈が必要
ヘアケア用品は「髪の内部に浸透」と謳ってOK
シミをなくす カラダの変化を示すためNG 日焼けによるシミを予防する
(※医薬部外品のみ)
ターンオーバーの促進 カラダの変化を示すためNG 体本来のターンオーバー機能を損なわない
アンチエイジング 「エイジングケア」もグレーゾーン。「年齢に応じたケア」という注釈があると安心
脂肪が燃焼する カラダの変化を示すためNG 美容や健康に燃えるあなたをサポート
透明感、トーンアップ、肌を明るくする、美白 カラダの変化を示すためNG 薬用化粧品で「美白」の承認を受けている場合はOK
毛穴の引き締め カラダの変化を示すためNG 肌を引き締める
毛穴が気にならなくなる
アレルゲン アレルギー等の疾病を連想させるためNG アレル物質
ダメージヘア 修復や再生・回復といったニュアンスは、カラダの変化を示すためNG 傷んだ髪に
潤い補給
など

 

4. おわりに

ここまでECモール、その中でも商品削除のリスクが高いAmazonでの実例と対応方法について解説してきました。

社会状況により、法律やモール規約は日々アップデートされていきます。

薬機法が関わる主要ジャンルである美容・健康系のジャンルの商品を、現在販売している方もこれから販売を考えている方も、最新の情報をキャッチアップしながら臨機応変に対応してください。

 

今回は薬機法に焦点を当て解説しましたが、ECモールや自社ECサイトでの販売についても幅広くサポートしております。

ぜひお気軽に下記よりお問い合わせください。

著者
飯塚純子
新卒で八芳園グループへ入社。専門式場にて、バンケット業務・ウェディングプランナー・新規営業・制作や広報等の企画・会計など幅広い業務を兼務。 chipperへ参画後は、ECコンサルタントとしてモールを中心とした運用業務を通してECの知識を身につける。現在はEC/D2C事業部マネージャーとして、新規提案から運用まで担当。