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【薬機法広告表現】美容・健康食品メーカー必見!避けては通れない薬機法基礎知識

2021/05/21

昨今、スキンケア商品や化粧品、サプリメントなど美容や健康に関わる商品を購入する際に、ドラッグストアなどの実店舗だけではなく、ECサイトを利用することはごく当たり前になってきています。

1クリックで手頃に商品を購入でき、かつ自宅まで配送してもらえるという便利さがECサイトの大きな特徴の一つであり、これからの販路としてECサイトへの出店を考えるメーカーもいらっしゃるのではないでしょうか。

 

美容・健康食品系のジャンル以外にも関わってくる「薬機法」ですが、今回は特に美容健康系の商品を取り扱うメーカー向けに、販売時に避けては通れない薬機法の基礎知識や注意点についてご紹介します。

 

この記事はこんな方に向けて書いています

  • 美容、健康食品系商品をECで販売しているメーカーの担当者
  • これから美容、健康食品系商品のEC販売に進出しようとしているメーカー
  • EC業界に入ったばかりのコンサルタント

 

1. 薬機法とは

薬機法とは、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」といい、その名前の通り、医薬品・医療機器等の有効性・安全性を確保し、国民の生命・健康を守ることを目的に制定されました。

2014年に現在の薬機法が制定される以前は「薬機法」と呼ばれていたため、こちらの名称が耳に馴染んでいる方も多いのではないでしょうか?

 

厚生労働省のホームページでも下記のように記載されています。

 

医薬品・医療機器等の有効性・安全性を確保するため、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」に基づき、製造から販売、市販後の安全対策まで一貫した規制を行っています。また、献血に代表される血液事業、薬物乱用防止対策、化学物質の安全対策など国民の生命と健康に直結するさまざまな問題に取り組んでいます。

厚生労働省ホームページより

 

2. 薬機法における広告の規定

広告の規定については、薬機法の第66条から第68条で以下のように定められています。

第66条 誇大広告等の禁止

何人も、医薬品等の名称・製造方法・効能・効果・性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽・誇大な記事の広告・記述・流布をしてはいけない。

医薬品等の効能・効果・性能について、医師その他の者が保証したと誤解されるような記事を広告・記述・流布してはいけない。

何人も、医薬品等に関して堕胎を暗示したり、わいせつな文書・図画を使用してはいけない。

 

第67条 特定疾病用の医薬品の広告の制限

がんなど、政令で定める特殊疾病に使用される目的の医薬品で、医師・歯科医師の指導のもとに使用されるのでなければ危害を生ずるおそれが特に大きいものは、政令で医薬品を指定し、その医薬品に関する広告につき、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告方法を制限するなど、当該医薬品の適正な使用の確保のために必要な措置を定めることができる。

 

第68条 承認前の医薬品等の広告の禁止

何人も、薬機法で定められた承認・認証を受けていない医薬品・医療機器について、その名称・製造方法・効能・効果・性能に関する広告をしてはいけない。

 

虚偽・誇大広告表現の事例

少し極端な例かもしれませんが、単なる「ビタミンサプリメント」が、「これで癌が治ります」と謳うことは誰がみても虚偽の広告表現と分かるでしょう。

それではもう少し身近な例で見てみましょう。「カプサイシン」を含むサプリメントが、「これで脂肪燃焼が叶います」と謳った場合はいかがでしょうか?

詳しくは次の段落で記載しますが、この表現も誇大広告表現と見なされるのです。

 

違反した場合どうなるか

ここ最近の摘発事例をみると、2020年7月~10月において「コロナ」「熱中症」「免疫力」「不眠」などのキーワードでランダムに検索して3ヶ月で約100件近くの商品説明ページに、指摘や改善命令が出されています。

もし薬機法に違反し摘発されると、「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金」またはこの両方が課せられます。

罰則による社会的な影響にとどまらず、SNSでのコミュニケーションが発達した今の時代は、虚偽または誇大広告としてユーザーに取り上げられ炎上し、さらなるブランドイメージの低下を招く事例も発生しています。

 

3. 薬機法における定義

ここまで一様に「医薬品等」と表現してきましたが、薬機法ではその成分等によって「医薬品」「医薬部外品(薬用化粧品)」「化粧品」と分類されています。

 

それぞれの分類は細かく法律で定められていますが、大まかに分けると下記のようになります。

 

成分などにより医療機関での処方またはドラッグストア等でも購入できる「医薬品」、医薬品よりは効果・効能が緩和されるが化粧品よりは効果・効能が見込める「医薬部外品(薬用化粧品)」、そして身体の変化を謳うことのできない「化粧品」と、それぞれ分類されます。

私も薬機法について調べてみて初めて知ったのですが、よく見かける「薬用化粧品」は医薬品という分類ではないのです。

 

先ほど、「虚偽・誇大広告表現の事例」で取り上げた、「カプサイシンを含むサプリメント」は化粧品の位置に分類されるため、「脂肪が燃焼する」という身体の変化を謳うことはできないのです。

では「化粧品」はどのように広告表現したらいいのか、迷ってしまう方もいらっしゃるかと思います。

「化粧品」には、効果効能試験を行って効果があることを確認したことを前提として、法律で定められた56の表現があり、この何れか(もしくはこれに準じた表現)を用いた広告表現で商品を紹介することができます。

本記事ではOK事例についてまとめましたが、NG事例については別記事にてまとめさせていただきます。

▼次回の記事はこちらから

 

4. まとめ

ここまで薬機法の基礎知識について記載してきました。

薬機法は一番はじめに記載した通り、国民の生命・健康を守ることを目的と制定された法律です。

広告表現の観点で見た際に、薬機法を遵守すると伝えたい効果をストレートに伝えることができないと感じるかもしれません。

 

しかし、虚偽の内容や誇張した表現を使用しての広告は、消費者の生命・健康に影響を与えるだけでなく、アカウントの強制停止や懲役・罰金などの罰則の対象になりかねません。

法律の範囲内で、商品の魅力を伝えるような文章やビジュアルを用いた表現を工夫し、広告配信を行っていきましょう。

 

次回は、より具体的な「ECにおいての薬機法に関わる広告表現」についてお伝えしていきます。

▼次回の記事はこちらから

著者
飯塚純子
新卒で八芳園グループへ入社。専門式場にて、バンケット業務・ウェディングプランナー・新規営業・制作や広報等の企画・会計など幅広い業務を兼務。 chipperへ参画後は、ECコンサルタントとしてモールを中心とした運用業務を通してECの知識を身につける。現在はEC/D2C事業部マネージャーとして、新規提案から運用まで担当。