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D2Cにおける単品高単価戦略 -顧客に感動体験を与えるギフト戦略-

2021/11/08

こんにちは、chipper十時です。
今回は、chipperが数多くのD2C支援を行う中で発見した、食品D2Cで最有効な「単品高単価D2C」についてまとめます。

先に前提となる注意点をお伝えしますが、D2C(Direct to Consumer)の本質は顧客とのコミュニケーションです。
今回の記事は、一気通貫したストーリーやビジョン、ブランド展開する組織が最も重要であるという考えが大前提としてあった上での、マーケティングとしてのテクニック論となります。

単純なテクニック論だけを身につけても、本質的に世の中に対し価値を継続的に創出するブランドにはなり得ないため、ただ単にモノを売って稼ぎたいという方には本記事の内容はオススメしません。
その上で今回は、より具体性を高めた話として、弊社のこれまでの知見から提唱する単品高単価戦略という販売手法について共有したいと思います。

 

この記事はこのような方向けに書いています
  • これからD2Cブランドの展開を検討されている方
  • 具体的なD2Cにおける戦術論を知りたい方
  • 自分たちのブランドに対する熱い思いは持っているが売り方に悩まれている方

 

はじめに

D2Cで成功している多くの会社は、単品ブランドから展開し定期購入型につなげる、俗に言う「単品リピート通販型」で事業を展開する会社が多いです。

メンズスキンケアのバルクオムパーソナライズサプリを展開するFUJIMIもリピート通販型のモデルでの展開からスタートしております。
理由としては、D2Cでは事業指標としてユニットエコノミクスを踏まえた事業モデルを構築するため、事業の収益性・成長性の判断がしやすく投資検討しやすいモデルということが大きい要素と考えられます。
ただしリピート通販型で展開する場合、LTVが高まる一方でCPOの高騰が避けられず、投資回収のために、ある程度の時間と相当量の金投資額が必要となります。

弊社では、そうした莫大な投資先行型の戦い方以外の勝ち筋がないか多くの検証を行っており、その中で現段階で体系化した内容として、”単品高単価戦略”という手法についてまとめたいと思います。

ユニットエコノミクス、CPO、LTVに関する詳細はこちらの記事を参考にしてください。

 

市場環境から考えるCPOの高騰に関して

ここ数年で多くの企業がD2C市場に参入しはじめ、盛り上がりを見せています。最近では大手とスタートアップの合弁会社の参入やD2C専門のCVCの誕生、さらにはAbemaTVで2021年10月展開されている“会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編”といったドラマまでD2Cがテーマになっているようです。
多くのブランドが参入することは業界全体が盛り上がり喜ばしく歓迎すべきことですが、一方で競合性が非常に増しているため、単純にWEB広告を打っても顧客獲得コストが合わなくなってきています。
また前述の通り、D2C企業としての事業成長を考慮すると、KPIとして計算のしやすいユニットエコノミクスを踏まえた事業計画を立てるケースが多いため、結果的にLTVを長くする=CPOが高くなりやすい傾向にあります。

 

CPOと認知度の相関性

次に、ブランド単位でのCPOの変化についてまとめます。

商品を展開してから市場認知され始めるまでの期間は、CPOは高くなる傾向にあります。
これには、大きく2つの理由があります。
販売する商品がどのような顧客にマッチするのかデータが蓄積されていないことにより、広告露出が最適化されていない状態であることと、ブランドに対する認知が高まっていないことにより、信頼性が蓄積されていないためです。
認知拡大とデータ蓄積に伴い、徐々に顧客獲得コスト(CPO)は最適化され下がってきますが、ある一定の認知まで進むと伸び悩むフェーズがきます。
伸び悩む状態から脱却するためにターゲットとする市場をより広げていく or 別の市場を選定していく必要があります。
いずれにしてもCPOとLTVは定点観測しつつ展開方法を模索することが重要です。

 

D2C市場における “単品高単価戦略”がハマる理由

リピート通販型はLTVを高めやすい+資本政策を組みやすい一方で、莫大な投資コストがかかります。
一方で、単品高単価型(ギフト型D2Cと言い換えてもよいかもしれないです)は、ギフト市場を狙えるため、年間に数回季節イベントで戦うことが可能です。
定期販売よりは間隔が空きやすいですが、一定数以上のリピート購入を期待できる点と、ポジティブな訴求がしやすいためPRを意識したバズ要素を入れ込むことで、CPOの減少を狙いやすい市場と考えており、chipperとしては最も注目をしている領域になります。

 

成功に導くための4つの要素

単品高単価戦略を成功に導くために、大きく4つの要素に分類できると考えています。

  • 信頼と拡散:SNSやメディア露出を増やすことによるブランドの信頼性構築
  • 顧客リストの獲得:メルマガやLINEなどで何度も訴求可能な状況を作るためのリスト作り
  • 限定販売訴求:期間限定、数量限定の訴求をおこなうことで、顧客に対し今買う理由を提供
  • ギフト:価格競争を避ける方法論として、ギフトをメインの商品とする

 

メディア露出による顧客とブランドの信頼性構築

単品高単価市場に注目している中で、そのセグメントに該当するであろうブランドの紹介記事数の推移について調査しました。
上記は例として日本酒市場における単品高単価型D2Cブランドと、特約店経由である程度市場認知されているがオンライン上では全くPR戦略を実施してこなかったブランドの比較です。

成功しているD2Cブランドは最初期から多くのメディアにおいて記事掲載されており、時系列を辿ってどのような内容か確認していくと、戦略的にメディア戦略を組んでいることが判ります。
例えば、最初はクラウドファンディングでの成功実績やSNSでの反響からブランドを立ち上げたといった内容から展開し、一定の認知が獲得できた後はポップアップストアの展開に関するPRや、大手百貨店やコンビニとのコラボ展開といった内容が多くみられます。
D2Cブランドの展開において、認知拡大とCPOの減少のためには単純な広告戦略だけでなく、掲載コストのかからないメディアを活用したPR戦略は重要です。
(今回は例として日本酒ブランドを比較していますが、某チーズケーキブランドや他ジャンルにおけるD2Cブランドの伸び方を見ても世の中に認知されているブランドは最初期からPR戦略を強化していることがわかります。)

D2C系のPR記事は大きく分けて2種類あります。

  • 商品の話題性に関する内容
  • 会社・経営者のバックグラウンドやこれまで歩んできたストーリー
この2つがしっかりとあるブランドは継続的にメディア露出されています。
上記がない状態でとりあえずPRが重要だという考えでPR TIMESなどに掲載しても、転載記事が数本増えるだけでブランド認知に貢献しません。
メディアの人も人間です。話題性のある内容と、共感性のあるドラマに心が動かされます。
その上で、D2CブランドにおけるPR戦略において重要な要素といえるのは、顧客に商品が届いた際の顧客体験まで設計した商品企画と、ブランドを立ち上げるに至ったストーリーです。
一気通貫したブランドストーリーを構築することで、戦略的にメディア露出する機会を構築することが可能になります。

顧客体験をデザインに組み込んだ商品企画・パッケージデザイン

具体的なイメージを持っていただくために、弊社で商品企画・デザインを支援した事例を紹介します。

以前チョコレート100%のマカロンの商品企画を実施しました。
スイーツ系商材は、SNSを通しユーザーに拡散されることで売上に繋がりやすい特性を持っています。
例として萌えだん(フルーツの断面が萌えることから)というワードで爆発的ヒットしたショートケーキ缶や、弁財天のフルーツ大福など、シェアしたくなる要素をもたせやすい傾向にあります。

今回のマカロンでは、チョコレート100%という特性を生かし、香り、見た目をじっくりと味わってもらうための演出を考え商品パッケージを作成しました。
具体的には、

  • 品のある高級感と期待感を感じさせるギフトボックスデザイン
  • 箱を開けると最初にハスク(チョコレート豆を削る際に発生する削りカス)が出てきて香りを楽しめる
  • ハスクの入る箱を開けるとその下からマカロンが整列された状態で出てくる
  • ハスクの上にマカロンを置くことでシェアしたくなるような写真演出
といったストーリー設計を軸にパッケージデザインを行いました。下記は実際の企画時の内容になります。

顧客リスト獲得とCPO

どんなにいい商品を作っても、広告経由のCPOは立ち上げ期において高くなる傾向にあるため、事業として成り立たせるためにはなるべくコストをかけずに顧客リストを貯める必要があります。

成果地点を購入においた際のCPOは相場を考えるとおおよそ100%から、高い商材だと400%程度になってしまうため、よりユーザーのハードルが低い「リスト獲得」に広告成果地点をおくことがコストパフォーマンスを上げる方法と考えています。
その具体的な方法としての直近のおすすめは、LINE公式アカウントを作成し、LINE友だち追加を広告における成果地点に置き、顧客とのエンゲージメントを高めた状態で実際に商品を購入頂く方法です。
成果地点を友だち追加に置く際のCPO(厳密には友だち追加なのでCPF[Cost per Friends]と命名されています)は、数百円程度、高くても数千円程度になります。

友だち追加してもらうメリットは、

  • 一度獲得した顧客に対し何度もリーチできるため、一回のコミュニケーションで終わらない点
  • エンゲージメントを高めれば、繰り返し購入してもらえる可能性が高い点

などが考えられます。
また、LINEの開封率は60%ほどと言われており、さらにサイトへの誘導率は30%近い数字が出せるなど、メルマガ(開封率は10-30%ほどで、サイト誘導率は10%程度)と比較しても圧倒的に高い効果が出しやすいです。
単品高単価系商材だと、購入いただくまでの意思決定に時間がかかるケースが多いため、回数を重ねて顧客との関係構築を行うLINEとの相性も良いです。
弊社ではLINE広告の運用代行も行っていますので、ご興味のある方はお問い合わせください。

 

獲得した顧客リストに対し商品購入を促す方法

顧客獲得まで行った後、実際に頭を悩ませるのはどのようにしたらLINEから商品購入に繋げるかという点です。
効果の高い施策は、何かしらの限定訴求をつけることです。
例えば、食品系は賞味期限の問題から在庫を溜め込むことができず、1日あたりの生産量が限られるケースがあります。また店舗をメインに展開されている場合は、週に数回しか商品発送ができないケースもあるかと思います。
こうした一見するとデメリットとも言える問題は、限定訴求の理由としてプラスに活用できます。

いつでも購入できる商品より、今このタイミングでしか購入できない商品は購入意欲を駆り立てます
マーケティング用語でスノッブ効果と呼ばれるものになります。
こうした購買動機を促す手法をうまく組み合わせ活用することで、LINEから本サイトへの誘導に繋げやすくなります。

まとめ

以上が、単品高単価商材の販売手法に関する全体の流れになります。
実際は、付随する細かいオペレーションを組んだり、より細かな戦略を考えて具体的に形にしていく必要があるため、是非この流れを参考にしていただき自社のブランドをどのように訴求していくか検討してみてください。

またchipperでは、プロジェクトチーム型で、商品リサーチ、企画、パッケージデザイン、Shopifyサイト構築、PR支援、広告運用・・など0からの立ち上げから実際の販売まで一気通貫し支援させていただいております。
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