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D2Cビジネスにおける事業計画の立て方について

2021/07/16

こんにちは、chipperの十時です。

メーカーが卸を介さず消費者に商品を届けるとなった際に、これまでの問屋を介したビジネスとは構造が大きく変わります。今回はD2Cにおけるビジネス構造についてまとめたいと思います。

この記事はこのような方向けに書いています
  • D2Cビジネスをこれから展開される企業様
  • D2Cスタートアップの立ち上げを検討されている起業家

D2Cビジネスにおけるキャッシュフロー構造

まず大前提として、D2C事業を始める際に、いわゆるSaaSのようなWEBビジネスと異なり、消費者に商品を届ける必要があるため、ビジネス開始段階から資金が必要になります。
また、せっかく事業立ち上げに向けて数千万円の資金を用意したのに、気づけばキャッシュが回らず事業がショートするリスクが高いため、基本的には事業開始前に事業計画を引いてからスタートするのが望ましいです。

 

店舗型D2Cもありますが、今回はWEB通販型D2Cにおけるキャッシュ構造についてまとめます。

 

「収入」

商品代金:基本的にメインの収益源は商品の販売代金となります。

月会費D2Cモデルによってはコミュニティを作り、サブスク型の会費を得るモデルも考えられます。

 

例:BODYBOSSの月額サービス

 

「支出」 

商品代:商品原価=商品代金+パッケージ代+同梱物代

を予め見越しておく必要があります。
商品原価は、業態によっても変わりますが、美容品や健康食品であれば10-15%、食品であれば、40%以下が望ましいです。
その他ジャンルにおいては35%以下を目指すケースが多い
です。

パッケージ代はこだわりによって大きく変動しますが、100-500円ほどかかるケースが多いです。
また初期の段階でデザインにこだわる場合は、プロダクトデザイナー発注費用で数十万円から百数十万円、型が必要の商品であれば型代、サンプル代金なども発生します。

D2C事業において、いかに消費者にリピートしてもらえるかが重要になるため、同梱物はリピート戦略に組み込む際に非常に重要なツールとなります。
こちらもこだわり次第ですが、数十円から数百円程度は見ておいた方がよいです。

 

送料:宅急便は数百円、クール便は1,000円ほど、 ポスト投函サイズだと200円代と配送する物によって変動幅が大きくなるため、商品企画からスタートする際には、送料も計画段階で考慮すると良いです。
ポスト投函サイズだけを対象にするために、厚みを2cm以下のサイズになるようにパッケージデザインを行うこともあります。

また、まとめ買いが見込める商品においては、通常送料は別にしておき、何円以上で送料無料となる設計を考えるケースもあります。
いずれにしても収益性を担保できないと資金ショートリスクが高まるため事前に考慮する上で非常に重要な要素となります。

 

物流委託費:初期の段階では自社配送するケースも多いですが、スケーラビリティを考えるといずれ物流委託も視野に入れていただく必要があります。
例えば、配送納期が早いだけでなく、受注との自動連動など、物流戦略は売上拡大においても非常に重要な要素となるため、単純にコストだけで選ぶのではなく、自社の戦略にマッチした物流支援会社と組むことをお勧めします。

通常、物流においては大きく分けて、倉庫保管料と作業費で構成されます。各社によって見積もりはマチマチですが提供するサービスと照らし合わせながら検討してみてください。
最近では売上の拡大に合わせて、従量課金性の物流サービスを提供している会社も増えているため以前よりもスタートしやすくなりました。

 

従量課金性の物流サービスを提供している会社例

オープンロジ:固定費ゼロで柔軟な対応が可能。よくウェビナーも開催されており参考になります

ダイアログ:冷蔵、冷凍も可能なので食品系はおすすめ

 

広告販促費Jカーブ型の成長戦略を描く上で、最も重要な要素となります。
SNSやオウンドメディアを併用している場合は単純な算出は難しいですが、PL作成の精度を高める上で事業計画に予め盛り込んでおくと良いです。
後ほど説明するユニットエコノミクスの考えにおいても外せない要素となります。

D2C事業の立ち上げ期においては広告反則費が売上を上回ることが多いですが、ある程度リピーターが定着してきて、安定的な成長に入った段階では30%ほどを想定しておくと良いです。

 

手数料:意外と見落としがちですが、オンラインでものを販売する際は、決済手数料が発生します。クレジットカード決済は2.8%から4%ほどを見ておくと良いです。
ID決済(AmazonPay等)では4%〜5%が基本となっています。
加えて、後払い決済や代引きを含めてしまうと、8%ほど行ってしまうケースもあります。

商品ジャンルにおいては後払い決済がついているだけで転換率が劇的にあがることもあるので、考慮にいれるケースが多いです。
代引きは、受取拒否をされた際に無駄に送料がかかってしまうことから、最近では導入するケースが減っている印象です。
とはいえ、高齢の方を対象にする商品ではいまだに代引きのニーズもあるケースもゼロではないので、取り扱う商品によっては検討が必要です。

 

モールでの決済手数料は、10-15%を想定しておきましょう。
楽天が10-13%ほどで、アマゾンが10-15%ほどです。Yahooはよくかからないと話に挙がりますが、売っていくために提供されているPRオプション(手数料を払い検索上位に商品を露出させるサービス)が売上拡大において重要になるため、実質10-20%ほどを想定しておくと良いです。

 

人件費:立ち上げ期においては、2-5人分の人件費を想定しておくと望ましいです。

 

システム費用:カートシステム費用も当然発生しますが、広告経由のLTVやアトリビューションを正確に測りたい・顧客のエンゲージメントを高めるためにCRMツールを導入したいとなると、カートの標準機能単体では足りないケースが多くなるため、10-20万円かかってしまうこともあります。

Shopifyでは、海外性の安いアプリも多くあるため、数万円程度に収められるケースも多いです。弊社でもShopify Expertsとして支援しているため、導入したいツールで悩まれたらお問い合わせください。

 

その他:家賃や、水道光熱費、その他雑費が発生します。

 

おおよそ上記であげたようなものが収入と支出で発生します。
通常のWEBサービスと異なり、初期の立ち上げ期からそこそこな費用がかかるということを念頭にいれた状態で事業計画を立てましょう。


D2C
ビジネスの投資回収モデルとKPIについて


WEB
型のD2C販売モデルにおいて、年々顧客を獲得するためのコストが上がってきております。
そのため昔は商品の単品買い切りモデルが主流でしたが、昨今では初回の商品販売では赤字で、数回リピートいただいてようやく黒字になるというサブスクリプション型のモデルが主流となっております。

サブスクリプション型事業が事業安定するまでに目標にすべきKPIはユニットエコノミクスです。ユニットエコノミクスは簡単にまとめると、「顧客をいくらで獲得し、最終的にいくら事業にお金をしはらってもらえるか?」という指標です。

 

ユニットエコノミクス = LTV(顧客生涯価値) / CPO(顧客獲得コスト)

 

計算式は上記の公式で成り立ちます。

丁寧にまとめられている記事はこちら

CPO:顧客一人あたりをいくらで獲得できるのかという指標で、広告費から広告費経由で獲得できた人数で割ると算出できます。

LTV:獲得した顧客が先々も含めどれだけ収益をもたらしてくれたかという指標です。
LTVを考える際は、単純なサブスクモデルでない場合、リピートに2ヶ月、3ヶ月とかかるケースも想定して事業計画を立てましょう。また、事業プランに応じて1年・2年・3年で設計すると良いです。

年々顧客獲得コストが増加している中で、ユニットエコノミクスを指標におくことで、短期的視点で儲かっているか否かという判断ではなく、中長期視点で事業として収益増加するのであれば、投資判断が可能となります。

また、WEBマーケティングの結果判断にも役立ちます。
例えば、複数の広告を回す際に、例えばGoogle広告ではCPO5,000円で、Facebook広告ではCPO10,000円だったとします。

単純にCPOだけを指標においてしまうと、Google広告のほうが、評価が高いという結果になってしまいますが、広告経由のLTVを確認した結果、Google広告経由の場合7,000円で、Facebook広告経由の場合30,000円だったとします。

ユニットエコノミクスの指標にしていれば、Facebook広告経由の顧客の方が顧客ロイヤルティが高いという結果がわかります。
そのため、単純なCPOだけでなくユニットエコノミクスを軸に事業計画をたてることで、より正しい投資判断ができます

以上のような点を踏まえて、事業計画に落とし込んでみてください。