この記事では、これらのコンセプトから一段踏み込んだ「デザインコンセプト」について解説していきます。
一貫したデザインコンセプトを持つことは、プロダクトに関連するアウトプットはもちろん
ブランドの認知に繋がるため、価値のあるプロダクトをユーザに届ける上でとても重要となります。
まずは「デザイン」「コンセプト」それぞれの言葉の定義を確認します。
建築・工業製品・服飾・商業美術などの分野で、実用面などを考慮して造形作品を意匠すること。
図案や模様を考案すること。また、そのもの。
目的をもって具体的に立案・設計すること。
概念。観念。創造された作品や商品の全体につらぬかれた、骨格となる発想や観点。
つまり、デザインコンセプトとは、デザインをする際に基本とする指針のことです。
この指針を作ることで、デザインやスタイルなどに一貫性をもたせることができます。
商品・サービスに「らしさ」=ブランド力を与えるためです。
技術の発達により、世の中には機能やスペックが良いものが溢れていて、商品を選ぶのが難しくなっています。
100円ショップで売っている財布とCOACHやLOUIS VUITTONの財布は、「お金を持ち運ぶ」という同じ機能を持っています。
しかし、COACHやLOUIS VUITTONが売れないわけではありません。
なぜなら、COACHやLOUIS VUITTONには「ブランド力」があるからです。
このブランド力が「らしさ」です。「らしさ」は商品やサービスを機能以上に魅力的に感じさせます。
そして「らしさ」を表現するためにはデザインコンセプトの存在が欠かせません。
とにかく付箋にワードを書き出します。最低でも20個、できれば40個くらい。
最初は難しいので、ヒントとなる手法をまとめてみました。
類似のサービスやプロダクト、競合他社をマッピングすることで、
自プロダクトが全体の中のどのあたりに位置するのかを知ることができます。
2軸を何にするのかが重要になりますが、他社との差別化ポイントを作ることにも繋がります。
全くキーワードが思い浮かばない場合に、方向性を掴む・決めることができます。
クライアントにも聞きやすいので、一番最初の大まかな指針として使うのが良いでしょう。
関連するキーワードを、数珠つなぎで増やしていくことができます。
単純な思いつきだけではなく、枝を広げることで様々な関係性を持ったキーワードが出たり、
2段目、3段目と思考を深めながら考えることができます。
弊社とADKダイレクト社との共同サービス(D2C UP STAGE)のデザインコンセプトを考えた際のマインドマップ
1.で出たキーワードから、プロダクトに合うキーワードを5〜10個ピックアップし、
20文字程度のキャッチコピーを作ります。
作ったキャッチコピーが、
を確認し、ブラッシュアップしていきます。
このキャッチコピーは、プロダクトそのものにフォーカスしすぎたものではなく、
「○○なデザイン」として、プロダクトの「らしさ」を表すことができていることが理想です。
ここまでの情報から、ビジュアルデザインの指針をまとめていきます。
このコンセプトシートは、クライアントやプロジェクトメンバーに見せることで、
認識のズレやイメージの乖離を防ぐことができます。
また、自分だけでなく、他人がクリエイティブを作成するときの土台にもなります。
デザインで悩んだときは、コンセプトに立ち返ることで一貫した「らしさ」を保つことができます。
コンセプトシートは見た目の部分にフォーカスしたアウトプットになっていますが、
ユーザが持つプロダクトや企業に対する「らしさ」は、ただ見栄えの良いものを飾るだけではありません。
「らしさ」は、商品やそのパッケージ、広告などの1つ1つのアウトプットが積み重なってできるものであるため、
デザインコンセプトは、その基礎となる土台を固めるにすぎません。
しかし、デザインコンセプトを決めることで、フォントや色、写真のレタッチなどの装飾をする際に
「らしさ」を保ちつつ、効果的なものを選択することが可能になります。
「らしさ」を一貫することで、ユーザへの見せ方をコントロールが可能となり、ブランドとして認知され記憶されます。
chipperでは新規プロダクトの企画やサービス、企業のブランディングまで、一貫して依頼をお請けしております。
プロダクトの価値を高めたい方、ブランディングへのはじめの一歩が踏み出せない方は是非ご相談ください。