その中で気づいた、COOとして果たすべき役割について書いてみます。
※個人の主観で、かつシード期ベンチャーのCOOの体験記なので、一般的に万能な内容ではかもしれません。
※以下、「社員」と呼称するのが個人的に好きではなく「メンバー」と表現します。
CEOが見ている景色は、メンバーには見えない
CEOの悩みでよくあるのがこれ。
- 「なぜメンバーは自分の言っていることを理解してくれないのだろう」
- 「なぜこんなことができないのだろう」
ほとんどの経営者が思っていることだと思います。
結論を先に申し上げると、CEOが見ている景色は、どう足掻いてもメンバーには見えません。
chipperジョイン前は非役員であったところからCOOになった私だからこそ、この原因について感じました。
当然のことですが、原因は「見てる景色が違いすぎるから」に他なりません。
CEOが見ているのは個人ではなく、
「自社がどういうポジショニングでいるのか」「世の中をどう変えるのか」という、”社会最適”の考え方です。
一方、世のほとんどのメンバーが見ている「自分の欲求をどう満たしてくれるのか」「自分にどう報酬があるのか」という
あくまで”個人最適”での視点です。
ここに大きなギャップが生まれます。
社会→組織→個人といった「景色の広さ」という縦軸と、「時間」の横軸で見た時に、見えている部分の違いがあまりにも大きいです。
この図をご覧ください。
このように溝が存在します。これでは会話が噛み合うはずがありませんよね。
(イノベーター理論でよく使われる「キャズム」という言葉がしっくり来たので入れてみました)
- 社会最適を見ているCEO
- 個人最適を見ているメンバー
この中間である「組織最適」を行うのがCOOの役目です。
COOが果たすべき役割について
COOの役割は「中間コネクタ」として”組織最適”にする
COOの役割は、例えると「中間コネクタ」と同じです。
これです。↓
つまりわかりやすく言うと、噛み合うはずのないUSB-C(オス)とHDMI(メス)の二本のケーブルを一繋ぎするためのコネクタです。
「CEOの目指す社会」とは何かを理解し、「メンバーの考える個人の幸せ」とは何かを理解しようと努め、
「双方を叶えるために組織はどうあるべきか」を実行するのがCOOの役割なのです。
CEOの描いたビジョンを実現するのがCOOの仕事
COOの仕事は、CEOの描いたビジョンを実現することです。
この世で最も長く存続してきた組織は「宗教」である、というのはよく言われます。
繁栄する組織には、「神」のビジョンを語る「教祖」の存在が重要だと私は考えます。
「神」と「教祖」がイコールになって破綻したWeWorkのアダム・ニューマン氏は、良い事例になるのではないでしょうか。
話を戻しますが、COOの仕事は「CEOの描く未来を実現すること」です。
「ビジョンを描くこと」はCEOの仕事ですが、メンバーに対して「ビジョンを語ること」はCOOの仕事です。
同時に、CEOからビジョンを引き出すのもCOOの仕事。カウンセリングやコーチングのスキルも必要です。
それをメンバーや対外的に発信をするのもCOOの仕事。マーケターとしてのスキルも必要です。
メンバーに対して成長を促すのもCOOの仕事。マネジメントのスキルも必要です。
CEOは常に未来を見ています。さらに、交流会などで他の経営者と接することで更に視野・視座が広がり、どんどん先に行きます。
その成長スピードに対してCOOは常に離されるようなことがあってはいけません。
まとめ
ベンチャー企業COOとは
① コミュニケーション量を担保し
② CEO・メンバー双方の気持ちを理解しようとする努力をし
③ 会社のステージに合わせながら不足している部分を全て埋める努力をし
④ 会社ステージの変遷をメンバーに理解するコミュニケーションを行い
⑤ 組織最適を考えながら双方にWIN-WINになる調整をし
⑥ PL上の黒字を目指す
これら全てを行う必要があるため、はっきり申し上げてかなりハードルは高いです。
それ故に、とても楽しい日々です。
これまで積み上げてきたことが全て活かせる、集大成的な感じで、とてもやりがいがあります。
chipperでは、こういった考えのCOOと共に事業をグロースしてくれるメンバーを募集しています。
ご興味がある方はこちらよりご応募お待ちしています。