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chipperのビジョンに込めた想い。代表である私の生い立ちからまとめてみました

2021/06/15

chipperではVISION(ビジョン)に「夢をカタチに」を掲げています。
聞く人によっては、安直な内容に聞こえてしまうかもしれない内容です。
中々対外的にどんな思いを込めて決めたかを発信する機会もないので、今回は創業から今に至るまで、どのように考えて決めたのか自分の整理のためにもまとめてみようと思います。

 

この記事はこのような方向けに書いています
  • これから就職活動を迎える学生
  • 転職を考えているビジネスマン
  • chipper社員(自分含め)

 

生い立ちと創業までに至ったプロセス

VISIONの夢をカタチについて触れる前に、創業からの流れについて書きます。
実はあまり社員以外に話していないのですが、創業当初はchipperという名前ではなく別の社名で、別の事業を行っていました。
当時の社名は、株式会社HAKAISHIN(ハカイシン)という厨二病まっしぐらな名前でしたw
行っていた事業は、アート市場を盛り上げるためのサービス展開、VISIONは”世界を美しくする“というものでした。

下記が、創業前に当時の仲間とすり合わせて作ったコンセプトとロゴ資料です。

生い立ちを話すと、私は芸術家の家庭で生まれ育ちました。
父は絵描きだけを生業(一時的に、大学の外部教授などもやっていましたが)に私たち兄弟を育ててくれていた影響で、自分自身ずっとアートに触れる環境にいました。
父に会った人は分かると思いますが、静岡県富士宮市の山奥で仙人みたいな暮らしをしている人物です。
そんな親父だったので、少し一般的な父親像からはずれている気がしますが、トイレに大辞林が置いてあり毎日1ページずつ言葉を調べていたり、露天風呂をDIYするような人物でした。
また、ものごとを考えるタイプで、よく哲学を語ってくれました。

静岡県富士宮市の山奥にある父のアトリエ

そんな父親のもとで育ったからか、アーティストの作品そのものというよりも、その背景にある哲学的な考え方に対する尊敬が強く、自分も高校2年生になる頃には、アーティストを目指したいという思いが強くなりました。
その思いを汲んでもらい、夏休み期間だけ芸大を目指す学生や浪人生が集まる、池袋にあるすいどーばた美術学院に通わせてもらうことになりました。

その予備校時代に人生で最初の挫折を味わいます。
芸大受験を目指す人のための予備校なので、当然3浪4浪している人も多くいたのですが、同じ人間とは思えないレベルの高さの作品を作っていました。
漫画ブルーピリオドの世界観と全く同じですw

これまで自分は美術の成績もよく何か作品を作れば県の賞を受賞していたので、正直芸大を目指すことにそんな難しさを感じていなかったのですが、
とんだ井の中の蛙だったと衝撃を受けます。

それと同時に感じてしまったのは、こんなにレベルの高い作品を作るにも関わらず成功するのはごく一握りで、売れている親父ですら自分たちを育てるのに苦労していたことを考えたときに、自分の哲学や考えを通して生きるということはなんて難しいことなのだという点です。

それ以来自分自身が何か作品を生み出すということよりも、アーティストが自由に自分の表現ができ、それで生きていけるような世界を作りたいと思い事業家になる夢が生まれました。

その後、自分は一般高校ではなく高専にいたので技術やプロジェクトマネジメントを学び、大学では表現の重要性を学ぶために京都工芸繊維大学のデザイン経営工学課程に進み、マーケティングや事業の本質を学ぶために楽天株式会社に就職しました。

高校時代から、自分の中でやるべき道が定まっていたのでひたすら夢の実現に向けて生きてきたと思います。
楽天株式会社で4年半務めた後に、ようやく自分の実現したいアート支援事業をカタチにするために株式会社HAKAISHINを設立しました。

ようやくHAKAISHINの話になるのですが、旧態依然としたアート市場に対して破壊的イノベーションを起こしたいという思いと、当時自分が通っていた高専用語で、学年1位のことを破壊神(他の学生の偏差値を破壊して1番になることから)と呼ばれていたという2つの理由から、古い考えを壊し、新しい価値を生み出す会社としてHAKAISHINという名前にしました。

また、会社ロゴは当時世界で一番有名だったアーティスト、ダミアン・ハースト(生死の概念についての作品を作る作家)のドラッグをテーマにした作品シリーズ「The Spot Painting」からインスピレーションしたロゴを作りました。

 

事業と向き合う中での葛藤

HAKAISHINでアート事業を進める上で重要視していたことは、アーティストやコレクターにとって、どのようなニーズがあるかという点です。
多くのアーティスト、コレクターに話を聞く中で見えてきたことは、単純なマーケティングだけでは成り立たない世界があることです。
これまで楽天の中で培ってきた課題解決思考だけでは全く自分の思い通りにいかない業界のあり方、思い通りに事業化が進まない中での葛藤がありました。

自分が事業を立ち上げた当時、多くの同期や自分より年下の事業家が資金調達しどんどん事業を拡大させていく中、中々うまくいかない状況に焦りも感じていました。
また、楽天で知り合った妻も自分と同時期に後輩と一緒に会社を立ち上げ、うまく事業を成長させている中で強い劣等感を感じることもありました。

焦れば焦るほどに、好きで始めたはずのアート支援事業が、気づけば使命感だけで無理やり推進していたと思います。

なんとしてでもこの事業で成功したい、という思いが強すぎてかなり固執した考えになっていました。

 

濱口秀司さんとの出会いとアートスタートアップTRiCERAの存在

毎日、全然うまくいかず憂鬱でいた時期に、自分にとって視野が広がる出会いがありました。それはポートランドでmonogotoという会社でビジネスデザインをされている濱口秀司(はまぐちひでし)さんとの出会いです。
濱口さんはイノベーションの神様と呼ばれるような方で、USBメモリを世界で初めて開発した方です。

これまで感覚的にイノベーションの重要性を認識していましたが、一つの作法としてイノベーションについて体系的に言語化している人に会ったのは初めての経験でした。
どうしても直接話を聞きたくて、当時Facebookメッセンジャーで元同期の友達と連絡をし、都内のホテルのバーで話を聞く機会をいただけたことは今でもいい思い出です。
その時、濱口さんがこれまでにどのように考え、様々なイノベーションを起こしてきたのか話を聞きながら、アートの世界以外にここまで哲学を持っている人がいたのかと衝撃を受けました。

アート市場に固執していた中で、視野が広がった瞬間です。

次に自分の価値観が変わったのは、よくお世話になっていたコレクターさんの年末パーティーで出会ったTRiCERAを運営している井口泰(いぐちたい)さんとの出会いです。
自分の中で複雑化してしまっていたアート市場に対し、細かく因数分解されて、明確に海外アート市場にブルーオーシャンがあると定義し事業を伸ばし始めていました。
累計1億以上の調達も行い国内アート市場を伸ばされている事業家の方です。

自分と同じように別業種からアート市場に参入され、外様の中で進めていかなければならない苦しみがあったはずなのに、井口さんの周りには多くのアートディーラーやアーティストが集まっていました。
アートは、売れることだけが成功ではないと自分を言い聞かせていたものの、実際には売れる力を持つ事で人が集まることに気づかされました。
当然、資本主義経済では、資本力や売る力がある=発信力が生まれ人が集まることをまじまじと感じた瞬間です。

力をつけた上で考えや思いを発信することと、その前の段階で発信するのでは説得力が違うことを知りました。

こうした出会いや経験を元に、自分の中でなにが正解か一時的に見えなくなりました。
4ヶ月ほど鬱に近い状態になり、仕事もまともに手がつかず、事業立ち上げのために貯めた資金も毎月100数十万円単位でなくなっていく状態が続く中で、自分の中で何かが変わったタイミングがありました。

これまでアートに固執していたからこそ視野が狭くなっていましたが、本来自分がやりたかったことは、アートというアウトプットに固執することではなく、人の考えや哲学なのではないかということに気づきました。
また、自分のように夢があり実現したい世界がある中で、進むべき方向性が見えない人が多くいると思いますが、その想いを汲み、道を示す支援をすることこそが本質的に自分がやりたい世界なのではないかという事に気づきました。

今でも忘れない2019年11月に、プロダクトに依存しない、人の考えや思いを重要視し支援するための新規事業立ち上げの会社として事業内容を完全にピボットしました。

社名自体はピボットをする少し前に、市場を元気付けるという意味の「chipper」という名前に変わっていましたが、本当の意味でchipperが始動し始めたと感じるのはこの瞬間です。

ちょうど記事を書いている今で1年半ほどですが、おかげさまで人も次々と増え、今では社員だけでも10人を超える大所帯となってきました。

 

変化の激しい時代を生き抜くために

夢をカタチにするというVISION自体は、これまで記載したような経験を元に生まれた思考なのですが、今の変化の激しい時代の中でクライアントに対しても、また一緒に夢を追ってくれているメンバーにも圧倒的な成長を求めています。
その背景には、世の中が急激な技術成長をしている今だからこそ感じています。

私が当時高専生だったころ、データの移動はUSBメモリが主流でした(先ほどの濱口さんの話は当然その当時は知らないです)。
高専では、プログラミング関連の授業が多かったので皆当たり前のように筆箱にUSBメモリが入っていたのですが、私が1年生の時に買ったUSBメモリが1GBで1万円もしました。
それが年々安くなっていき3年生になるころには、3,000円台で売られるようになっていました。
ちょうど今アマゾンで調べたらさらに安くなっていて、5個セットで1,529円で売られています。

何を伝えたいかというと、世の中のデータを蓄積するための記憶容量が爆発的な拡大を見せているという事です。
今当たり前にあるものが、1年後には大きく革新している可能性がある時代です。

WEBマーケティングの世界でも同じです。私が起業したタイミングでは、オウンドメディア最盛期の時代でした。
メディア事業でガンガン調達し、上場企業にバイアウトするのが当たり前だった時代が、今ではSNSメディアが主流になりつつあります。

DXという言葉も世の中に浸透してきている中で、多くのことが自動化できてしまう便利な世の中になってきています。
一方で、人の価値が何かを問うとするならば、やはり人の思考や哲学にあると思うのです。

シンギュラリティ(技術的特異点)と呼ばれる言葉があります。先ほど挙げたように、世の中の技術が指数関数的にアップデートされていく中で、今の時代を生きる私たちが、その成長スピードに追いつけないとしたら、極論ですがいずれ世の中から必要とされない側に回ると考えています。人の価値、存在意義、夢を発信するためには、世の中の流れに沿った、またはそれ以上の成長が求められると考えています。

 

おわりに

chipperでは、夢はただ見るものではなく、個人の自己満足でもなく、市場性・事業性を持たせマーケットフィットさせるために、全身全霊で考え、行動するための指針となるものと定義しています。もちろん、プライベートにおける夢もあると思います。
ただし、ここでいう夢とはchipperという会社組織として応援する夢の定義です。

PMF(プロダクトマーケットフィット)ではなく、DMF(ドリームマーケットフィット)と社内用語で呼んでいます。

強い溢れんばかりの夢を持って事業に向き合ってもらいたいですし、それをカタチにしてもらいたい。それはchipperを選んでくれたメンバーに対しても、弊社を選んでくれたクライアント様に対しても強く思います。

なんて大変で難しい事業領域を選んでしまったんだと思わないこともないですが、夢を実現するために、深く考えて実行するわけですから、こんなに楽しい事業も他にないと思います。

是非、就活を始めた方、転職を検討中の方も、熱く夢をカタチにしたい、応援したい、もしくは熱くなれる夢を探したいと思う方は是非一度お問い合わせください。