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ー誰かが言う「できるわけない」に屈することなく挑み続けることが人生ー

2022/05/31

株式会社chipper COO 大学卒業後に入社したベンチャー企業で事業立ち上げを2度経験。その後ECカートシステム/受注一元管理システムの事業責任者を経て、2021年からCOOとしてchipperにジョイン。日々のクライアントワークから組織作りなど事業を成長させる為に幅広く業務を担う。

これまでの経歴を教えてください

幼少期までさかのぼると、私の生まれ育った環境は決して恵まれた環境ではなかったと思います。
最寄りのコンビニは徒歩3時間、水洗トイレもインターネットも開通できる環境ではありませんでした。当時はスマートフォンなどの情報収集ツールもなく、とにかく情報が少なかったです。そのような環境の中では、異端児と言われるような考えをずっと持っていました。それが「自分が関わる社会に変革を与えていきたいという情熱」です。
しかし、周りの大人や友人たちにこの情熱を話しても「できるわけない」「現実との折り合いをつけろ」「大人になれ」といったコメントが多く、なぜかうまく理解してもらえませんでした。これは自分の話し方に問題があるのか? 自分がおかしいのか? 東京に出たら変わるのではないか? と漠然としたモヤモヤを抱えていました。

このモヤモヤの答えを知る為に、新卒1社目ではベンチャー企業を選択しました。なぜベンチャー企業なのかというとベンチャー企業に来る人たちは、みんな世の中を変えたいという熱い意志を持って集まってくる集団だと漠然と思っていたからです。

−心のモヤモヤの答えはそこで見つかったんですか?–

当時関わっていた方には大変申し訳ないのですが、その答えは正直見つからなかったです。世代的な問題だったのかもしれませんが「将来何かをしたい」ではないにしても、「今全力を注ぐことで夢を見つけたい」という情熱を持つ人はいませんでした。もしかしたら当時の私が未熟だったため、それを感じられなかっただけかもしれません。

そこで自分の想いを客観視する為に“仕事の本質は何か”ということを突き詰めて考えてみることにしました。結果辿り着いたのが、「利益先行ではなく、世の中や誰かの為になることをしてその正当な対価を頂くことがビジネスである」という当然とも言えるアンサーです。
自分なりにその答えの確からしさを検証する為に、事業立ち上げに2度挑戦してみました。ベンチャーであるにも関わらず、社内で事業企画をして実際に事業化できている人がいなかったので、自分がベンチマークになろうと思い立ち上げた事業でしたが、一つは失敗、一つは少しだけ成功したという結果でした。そこから先の転職では、少し自分探し=キャリア迷子の時期があったと思います(笑)。25歳までで事業を2つ立ち上げたという事実だけで天狗になり、純粋に「大手×年収」に憧れてリクルートに転職しました。

−実際働く場所を変えてどうだったんですか?−

リクルートに転職して思ったのですが、自分がいかに井の中の蛙だったのかということを突きつけられました。いかに世の中は広く、自分のやってきた実績は、世の中から見たら大したことがないことなんだな、と。この時に自分の弱さに気づき、向き合うこともできました。

自分の弱さに気づいてからは、そこにちゃんと向き合わって克服しないとこれからの人生が好転しないと思い、1からやり直したいと考えて地方の営業会社に転職しました。そこで目標を立て決めたことが、私が所属する北関東エリア販売店の中で1位を取るということです。目標を決めてからは、必要だと思うことを圧倒的な行動量で全て実践し、なんとか1位を取ることができました。

これは1社目の時からずっとやり続けていることなんですが、「常に自分が達成できるギリギリの一番高い目標を立てて」「それを達成するためにできるできないを除外して因数分解をし」「そこに向けて期日を決めて」「全身全霊で努力をする」ようにしています。

その会社で目標達成を3年続けた後、改めて自分の弱さを克服できました。一方で個人として目標達成を続けてきたからこそ、チームで目標に向かって仕事をしたい、自分でゼロから何かを作っていきたいという新たな欲求が生まれました。営業会社でエリアが分けられていたので実質的に個人事業主の集団でした。

そんなことを思っていた矢先に登録していた転職サービスでEC業界からスカウトがきたんです。当時話した事業部長が1人で営業をやっているフェーズでもあったのでそこに自分が2人目として入って、自分が頑張ることで事業を伸ばしていく経験ができると感じられたので、その会社にジョインすることに決めました。そこでも同じように目標設定を掲げ、最終的には事業を280%成長させることができました。

−具体的にはどんな目標設定をされたんですか?−

定性的な永続目標としては「EC業界を盛り上げる」という個人ビジョンを設定しました。
違う会社同士の有望な若手だけを集めて、勉強会や意見交換をするための場として20名程度だけを厳選したEC若手ビジネス交流会というものを立ち上げました。

実は当時のEC若手ビジネス交流会のメンバーの中の1人に、今の代表の十時もいました。
十時とは初めから「何か波長が合いそうかも?」とお互いに感じていたのですが、若手会を通じて今後世の中や会社をこうしていきたいという話を2人でしていく中で、実現したい世界が同じだなと思い、一緒に事業をしようという流れになり当時まだ4人程だったchipperにCOOとしてジョインすることになりました。

ここでやっと、生まれた時からずっと感じていたモヤモヤの答えも見つかりました。周りの人たちが自分起点で会話していたのに対して、私は社会起点から考えていたので、この視点の違いがモヤモヤの答えということを、十時と話して気づきました。しかしこういった違いがあるのは当たり前。とにかく熱量を持って全力で行動をし、その結果としてこういった奇跡的な出会いがあったのだと今となっては思います。

 

草創期のchipperにジョインしようと思ったきっかけは他にもあったんですか?

実は当時タイミングが重なり、4社程度の会社さんから同時に有難いオファーをいただいていました。正直オファー報酬だけで比較したら、chipperが一番低い年収提示でした。当時全くのシードフェーズだったchipperからしたら、それでもかなり頑張った提示をいただいたと思うのですが、私の判断軸は一切お金ではありませんでした。

それでも十時と一緒にやっていこうと思った理由は2つあって、1つ目は先程も出てきた、創っていきたい世界観や組織が同じで、本質や社会起点に問題意識を持ってそれを変えて行くために努力ができるメンバーを集めて組織にしていきたい。chipper出身であることが価値になっているという組織を創りたいといった想いが共通していたことです。2つ目はあえてSaaSなどの特定のソリューションを持たずに、人に価値を見出してその価値をどうやって最大化していくのかを起点に事業運営をしていたことです。

この2つを取るために実は元々1人で起業をするという選択肢も考えていたのですが、十時が誘ってくれた時に想いや方向性がほぼ私と同じだったので、この人と一緒にやれば創りたい世界が実現できそうだと思えた事がきっかけとしては大きいです。

chipperにはCOOとしてジョインされたと思うのですが、どういった役割を担われているのですか?

今のchipperのフェーズで言うと”Chief Operation Officer=最高執行責任者”ではなく”Chief Other Officer=最高その他責任者”なのかなと思っています。かっこよく言ってますが、Otherの通り”何でも屋”なのかなと(笑)。

もう少しわかりやすく言うと、いつも私が意識しているのが”業務及び組織のキャズム(溝)を埋める人=スーパーゼネラリストであること”です。CEOは数年先を常に見据えていて、どんどんその未来に向かって突き進んでいます。一方で現場メンバーは今この瞬間の時間軸で行動しているので、CEOと見ている視点が違うしその距離は縮まることなく拡まっていきます。この距離は意識の乖離や知識の乖離、スタンス、考え方など色々な要因があって拡がっていくのですが、このお互いができないところ(溝)を埋めにいくのが、COOだと思っています。chipperにおける私が考えるCOOの役割は、過去に記事でまとめているのでぜひ見てみてください。(シードフェーズベンチャーのCOOの役割について解説)

ただ、現在はメンバーも当時の数倍に拡大し、COO1人で埋められるキャズムではなくなってきました。そのため、CMOやマネージャーにも協力してもらいながらキャズムを埋めていっています。

−日々の仕事でどういったことを意識されているのですか?−

自分の仕事がどこに通じているのか、この仕事の先に何があるのかを意識するようにしています。「本質的に何がしたいのか」や「社会課題ってなんだっけ」から逆算していくアプローチと、現状からの延長線上で考えるアプローチの2つのバランスを取りながら業務を進めていくのも意識しています。

あとはCOOというポジションだからこそ気をつけなければいけないと思っているのがWIN-WIN-WINの関係だと思っていて、つまり組織とお客様と従業員が対等な状況であるということです。お客様だけが儲かっている状況はボランティアです。自社だけが儲かっている状況は正当な対価をいただいているとは言えず、詐欺に近しくなります。従業員だけが得をする会社だとそもそも会社として成立しない状況になると思います。
この三者が対等になるWIN-WIN-WINのバランスを取りにいくための判断と行動をしていくのが本質的なCOOの仕事だと思っています。もちろん将来的には、
自分たちで判断をできるようになってもらうために、今どんどん経験を積んでいって欲しいと思っています。

西田さんがジョインされてからchipperはどのように歩まれていったんですか?

私が入ると決めた時に一番最初にやったのがミッションビジョン決めです。当時社員は4人とインターン生が2人いたんですが、この規模感の組織フェーズであれば、ベクトルを揃えるということが大事だと思っていて、当時いた全メンバーで合宿を行い決めました。私が思うマネジメントは、会社の実現していきたい世界観と個人の実現していきたいビジョンの合致している部分を探して、個人の努力のベクトルの方向性を合わせていくことだと考えています。その為に当時のミッションー誰もが自然に夢を叶えられる世界へーをはじめに作りました。

一方で私が組織創りに関わり出してから感じている反省点は、ミッションが決まってから入ってきたメンバーへミッションの落とし込みがきちんとできていなかったということです。 どういうことかと言うとー誰もが自然に夢を叶えられる世界へーというミッションは、捉え方によってはchipperにいたら自動的に夢が叶えられる人材になれるんだと思われたり、極論自分の夢は楽をして仕事をすることです!と言われたら応援しなくてはいけないという側面があります。
このミッションは、夢を叶えられる人材になる為には、あらゆるスキルセットが必要なのでそこを目指すために全力で努力をしましょうというメッセージを含んでいます。このあたりを面接段階でしっかり伝えていないのは、業務過多になってしまう中でスピード感重視で採用をしてしまったため、面接1回で内定を出したり、コミュニケーション量が多くなかったという点を非常に反省しています。

−他にはこのフェーズで新卒採用は珍しいと思うのですが、新卒を採用したインパクトはありましたか?−

これは私の想いでもあるのですが、新卒は入社して1社目の会社で彼ら彼女らの人生が一生左右すると言っても過言ではないと思っています。そのため、彼らの人生に責任を持つという意識でいい会社を作らなければという責任感は高まっています。
新卒で1社目としてchipperを選んでくれたからには、世界を変革できる人財になって欲しいという想いがあり、そこに対してどういうアプローチ方法がいいのか経営陣も日々試行錯誤しながらチャレンジしています。

西田さんが描かれているこれからのchipperの組織像について教えてください

徹底的に社会起点であり顧客起点である組織にしていきたいと思っています。全員が本質を考えつつ、社会課題を解決することとお客様の課題を解決する事が繋がっているものに関しては、何がなんでも解決するという気概を持って取り組んで欲しいと思っています。またお客様からは、chipperにお願いしたら自分たちの課題を深掘りして聞いてくれて、社会という軸でどういう視点を持って事業運営をしていけばいいかまで掘り下げて提案をくれるという評判を持った組織にしていきたいですね。

やっぱり自分が頑張ったことに対して、人から頂く感謝が頑張り続けられる原体験になり得ると思っていて、その原体験を得られるように、自分の起源をエンジンに代えて仕事に取り組めるという文化が作れる組織にしていきたいです。

−ずっとお話が出ている社会という軸ではどうしていきたいという想いを持っていますか?−

私は私の人生を「夢を持つ人は笑われ、行動する人は叩かれる」という世界を変えていくために生まれてきたと信じています。思えばこれまでは、ずっと周囲から常識を説かれてきましたが、その常識とは誰が決めた常識で、何のために存在する常識なのか?ということを考え続けてきた人生でもあったと思います。全ての理・ルールは必ず「誰かを幸せにするため」か「誰かの不幸を生まないため」かのどちらかのために存在します。その幸せと不幸の総量のバランスを考えて、本当にそれって常識でいいの?という視点と、これを変革していくための行動が必要です。視点を持つことも評論することも誰にでもできます。正しい知識を持った上で、絶対に諦めないという意志を持った上で行動をしていく。挑戦し続けていく。これこそが人生なのだと思います。こういった考え、マインドを持った人をどんどん増やしていきたいですし、そういう人を応援し続けたい。選択肢を増やしていきたい。これが私が実現していきたい世界観です。

−chipperでは採用を強化しています−

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